クラブツーリズム TOP>「旅の友」Web版【東日本版】 > 旅のアルバム帳 「「東海道五十三次をあるく」第38期 第12回 いざ行かん 箱根越え」
「東海道五十三次をあるく」は東京・日本橋から京都・三条大橋まで、東海道を歩いて制覇する人気シリーズ。今回はその第1ステージ(日本橋〜三島)のハイライトとなる「箱根宿〜三島」を同行取材。歴史講師の永島博先生の案内のもと、東海道最大の難所と呼ばれる、天下の険「箱根越え」を、1泊2日の日程で旅仲間の皆さんと一緒に挑戦。江戸時代の旅人が1日で歩いたという「箱根八里」はいかなる道か。秋深し旧東海道のあるき旅をご紹介します。
今回、この箱根越えを目指す一行は23名。歴史講師の永島博先生の案内で、江戸時代の旅人が一日でした箱根越えを、1泊2日の行程で行います。皆街道あるきの経験はあるそうですが、「箱根越え」は初めて。スタート地点の三枚橋で、ガイディングレシーバーを装着した一同。早速、耳には永島先生の声が響いてきます。永島先生の解説を聞きながら、早川を渡りしばらくいくと、いよいよ石畳の箱根東坂へ。この石畳は江戸時代、ぬかるみに難儀した旅人の便宜を図るため造られたもの。現在、東海道は、ほとんどが舗装されて昔の街道の面影はありませんが、杉並木の石畳道を歩くと、古の旅人の思いがしのばれてきます。
箱根越えの一日目はとにかく上り。何度も休みながら、大小の坂や階段を上り、七曲がりを越えたところで、とろろ蕎麦の昼食。昼食後は、再び石畳の道へ。「橿木坂(かしのきざか)」「猿滑坂(さるすべりざか)」など、さまざまな名のついた坂を上って、甘酒茶屋で休憩。茅葺屋根が趣ある甘酒茶屋ですが、中はお客様で大盛況。群馬県の桜井文子さんは、お子さんから「箱根越えはお母さんでは無理」といわれながら参加したそう。「五十三次で一番の難所だそうですが、娘を見返すためにも絶対がんばりたい」と笑顔で語ります。甘酒茶屋を出て、杉並木の道を行くと、いよいよ一日目のゴール、箱根関所跡。既に日が沈みかけていたため、記念写真もそこそこに宿舎へ。旅仲間と夕食で談笑後、天然温泉の湯でじっくり疲れをとりました。
2日目は箱根宿から三島へ下るルート、いわゆる箱根西坂になります。初日の上りでさぞ皆疲れてるだろうと思いきや、参加者の足取りは軽く、皆すたすたと歩いて行きます。埼玉県の佐野志のぶさんと若尾文子さんは、中山道ウォークで知り合った友達同士で、この春から「東海道をあるく」に参加したそう。「あるく旅は普通の観光では行かないところに行くのがいいのよ」と佐野さん。若尾さんは「それに、歩くと初日より二日目、三日目の方が体調がいいの」と付け加えます。神奈川県の原田宏さんは、大のゴルフ好き。以前は年に100回はゴルフ場に通っていたが、体を壊してから、リハビリを兼ねて歩くようになり、今は街道あるきの旅の常連になっているのだとか。今回の箱根越え、きつくないですか、と尋ねると、これでは少々物足りないとの返事。本当にベテラン陣は皆元気です。
広大な敷地の山中城跡を抜けると、富士山が右手に見えてきます。ここはもう静岡県。この辺りから日が沈むまでずっと富士山と一緒に旅をすることになります。急な坂道が続く道を、現代の弥次さん喜多さんは、旅仲間と談笑しながら、ぐんぐん下っていきます。地元、静岡県の三島市に住む平林三長さん・誠子さんご夫妻も、この春から「東海道をあるく」に参加した方。最初は体力的に心配だったが、回を重ねるごとに自信がついてきたそう。今回のこの箱根越えをクリアしたら、なんとかゴールの京都・三条大橋まで行ってみたいと語ります。そしていよいよゴールの三嶋大社。記念の集合写真を撮り、また次回会いましょうとの約束を交わし合い、全員無事に「箱根越え」を終えることができました。