クラブツーリズム TOP>「旅の友」Web版【東日本版】 > 旅のアルバム帳「東京の路地裏探訪 ぶらり神楽坂さんぽ」
東京近郊のおなじみの街を、ガイドと一緒に歩いてめぐる現地集合・解散のツアー「気軽にそとあるき」。 今回は、大正期の花街の面影を残す「神楽坂」を訪れました。今まで見落としていた意外な見どころや、路地裏の情緒ある風景に出会うことができる魅力いっぱいの街です。そんな街を歩く「大人が楽しむさんぽ」の様子をリポートします!
朝10時30分、JR飯田橋駅に集合。今回の案内を務めるのは、都内を知りつくした「東京シティガイド」の石川邦雄さん。見どころを楽しく語ってくれる石川さんを先頭に、旅仲間たちは街の探検へと繰り出しました。
駅周辺をめぐったあとは、いよいよ神楽坂の街へ!アスファルトの大通りからひとつ裏路地に入ると、そこには石畳の入り組んだ小路が続いています。大正時代から変わらぬ景観を残すこの街では、芸者も黒塀に囲まれた料亭も現役。例えば芸者衆の手配や勘定を行っていた事務所「見番(けんばん)」は、現在「東京神楽坂組合」として、芸者たちの稽古を行う建物。近くを通ると美しい琴の音が聞こえ、旅仲間たちも思わず足を止めて耳を傾けていました。
「神楽坂」の地名は、周辺の神社で奏でられる「お神楽」が響いていたことに由来し、どこにいてもお神楽が聞こえそうなほど、大小の社が点在しています。そのひとつである筑土八幡神社は、住宅街の中にひっそりと建つ神社。境内にある新宿区最古の鳥居や珍しい構図の庚申塔など、歴史的価値のある史跡をすみずみまでめぐりました。 そのほか、民家の間を抜けた先には文豪・尾崎紅葉が暮らした屋敷跡、細い路地の途中に演出家・島村抱月が創設した「芸術倶楽部」の跡地などがあります。現在は姿が変わってしまいましたが、ガイドの石川さんが当時の写真とともに物語を語ってくれます。「こんなにたくさんの歴史があるなんて知らなかったわ。今度来た時は違った見方ができそう」と伊藤安代さん。当時の様子を思い描くように、昔と今の風景を見比べていました。
地元の人々に「毘沙門さま」と呼ばれ古くから親しまれる毘沙門天・善国寺でこの日のそとあるきは終了。15時の早めの解散なので、「歩いている途中で知らなかったいいお店を見つけたから、買い物をしたいわ」と、まだまだ元気いっぱいの方も。旅仲間たちは「ありがとう、またどこかで」とあいさつを交わし、それぞれの家路へつきました。