「地球最後のフロンティア」と呼ばれるアラスカ。中部から直行チャーター便を利用すると約7時間で到着。極北の地では壮大な氷河をはじめ、厳しい自然の中で生きる動物たちなど、心揺さぶるいくつもの出会いがありました――。
クラブツーリズム TOP>「旅の友」Web版【西日本】> 旅のアルバム帳 「錦秋のアラスカ大自然探訪」
「地球最後のフロンティア」と呼ばれるアラスカ。中部から直行チャーター便を利用すると約7時間で到着。極北の地では壮大な氷河をはじめ、厳しい自然の中で生きる動物たちなど、心揺さぶるいくつもの出会いがありました――。
約30度を越す残暑厳しい中部国際空港から、チャーター直行便で約7時間。そこは今なお手つかずの自然が広がるアラスカ。日付変更線を越えたら季節も越えたようで、アラスカの首都アンカレジは秋の気配が色濃く、上着一枚では少し寒いほど。旅仲間からは「出発した時の暑さがうそみたい。さわやかで快適!」「たった7時間でこんなに気候の違うアラスカまで来られて、チャーター便は本当に便利」といった声が聞かれました。
アンカレジの空港を出て、まずはフッド湖とスピナード湖へ。ここは世界有数の水上飛行機の発着場として有名な場所です。訪れたときも赤や青など色とりどりの水上飛行機が水しぶきを上げながら飛び立っていきました。普段、見慣れない水上飛行機の離発着に皆様、興味津々。熱心に魅入っておられました。
その後、旅仲間はダウンタウンにあるアンカレジ歴史芸術博物館を見学。館内にはアラスカ先住民の人々の日常品や衣類、そして歴史などが展示。また模型やムース・クマなどの剥製もあり、見ているだけで楽しめる内容になっています。
先住民の文化について学んだ後は、野鳥たちが生息するポッター湿原に立ち寄り。市街からそんなに離れた場所ではないのですが、湿原の周囲には雄大な山々が広がりアラスカの自然の豊かさが感じられる場所でした。
氷河の宝庫ともいわれるアラスカ。なかでもプリンスウィリアム湾は複雑な海岸線が造りだすさまざまな表情と海に流れ込む多くの氷河が造りだすダイナミックな景観で知られています。通常の氷河クルーズでは、多くの人々と混乗するため、船内アナウンスはすべて英語。ですが今回はクラブツーリズムのお客様だけの貸し切りになっているため船内の案内はすべて日本語です。「やはり日本語だとわかりやすくて良いですね」と、皆様から大好評でした。
出港してから約2時間30分ほどすると、船はサプライズ氷河に到着。ここは氷河の崩落が見られる場所のひとつ。船が止ると辺りは静寂に包まれました。その時、小さな氷河の欠片がはらはらと落ちたと思ったら、続いて雷のような音とともに大きな氷河が崩落。水しぶきを上げながら氷河が沈んでいくと旅仲間から大きな歓声が上がりました。
長い年月をかけて作られた氷河の迫力を目の当たりにした旅仲間。自然の偉大さを改めて感じた瞬間でもありました。
船で氷河クルーズを楽しんだ翌日は、列車の旅です。今日はタルキートナからデナリ国立公園入口地区まで約4時間30分、アラスカ鉄道の展望車で移動します。車内はガラス貼りの天井のせいか明るく、開放感にあふれています。また車窓に広がるのは黄葉が包む大地。この風景も車内を明るくしてくれている要因のようです。「ゆったりしたシートだから長時間座っていても楽」「大きな窓だから外を見るのが楽しい」。そんな旅仲間のうれしいお声が、あちこちから聞こえてきました。
アラスカ列車での楽しみは車窓だけではありません。ツアーでは、優雅な食堂車で味わう昼食も楽しみのひとつ。今日のメニューは、ボリューム満点のサンドイッチとスープ。一見、少なそうにも思えましたが、実際食べてみるとかなりの量です。「私には少し量が多かったですが、おいしかったですよ」と話される方もおられました。
皆様、食後は車内でゆっくりされたり、1階のデッキで絶景を求めて写真撮影されたり。北米大陸最北端の地を走る列車での時間をのんびり思い思いに過ごされたご様子です。
今日はまだ暗いうちにホテルを出発し、デナリ国立公園へ向かいます。この公園は「人間は大自然にとって闖入者である」という考えを基にしており、一般車両は入ることができません。そのためツアーでは専用バスに乗り換え、園内をめぐります。この日の私たちの案内ガイド兼ドライバーはキャシーさん。運転もガイドもしつつ、さらに動物も発見するという達人。バスにはビデオカメラが搭載されていて、発見された動物は車内のモニターでも見ることができる仕組みになっています。どんな動物に会えるか、期待が高まります。
園内を少し進んだところでバスが停止しました。目を凝らして窓の外を見ると、木の陰で草を食むムースを発見。1頭かと思ったら、違う場所からもう1頭。思わず声を上げたいところですがここは静かに。動物を驚かさないように静かに見るのが、園内のルールです。その後、バスは針葉樹林帯タイガからツンドラの境目(森林限界地帯)を走行。さっきまでうっそうとした木々の中を走っていたので、徐々に車窓風景が変化し、少し走ると一面に赤い絨毯を敷いたような見事な紅葉が広がりました。こんな広大な紅葉が見られただけでもアラスカに来たかいがあったというものです。。
しかもこの後、グリズリー(灰色熊)との出会いも!この熊、バスの近くで穴を掘ったり、草の中で転がったりと愛嬌たっぷり。最後はバスとバスの間を悠々と歩いていくという余裕すら見られました。「窓の外にグリズリーを見つけた瞬間思わず"ベアー"って言っちゃいました」「こんな間近でクマが見られるなんて本当にすごい!」と皆様、野生の熊との出会いに大感動。車内の熱気も興奮もなかなか冷めませんでした。さらに遠目にですが、ドールシープ(オオツノヒツジ)、カリブー(トナカイ)なども発見。こんなに多くの野生動物が見られるのは豊かな自然が残るアラスカならでは。ここデナリ国立公園には入園者にはさまざまなルールがあります。しかしだからこそ貴重な動物たちとの出会いがあったのでしょう。
アラスカでの最終日。前日は遅くまでオーロラ観賞をしていたため、この日は夕方まで自由行動。皆様ゆっくり過ごされてるいるかと思いきや「朝から氷で出来たアイスドームに行って、露天風呂にも入ってきました」「家族で犬ぞりに乗ってきました。思いのほかスピードがあってびっくりしました」など、皆様、精力的に活動されていたご様子。
夕方にはアラスカのフェアバンクス在住のナチュラリ ストガイド・川口由美さんの案内でホテルの周辺散策へ 出発。金色に輝く黄葉を眺めながら、珍しい植物を見つ けたり、犬ぞりを引く犬たちの犬舎を訪ねたり、心地よ い風が吹く中で散策を楽しまれました。
最終日、アラスカを後にする旅仲間。オーロラが見られなかったのが少し残念でしたが、素晴らしい出会いも数多くありました。そして最後の最後にうれしいサプライズが。実は今回、曇り空のためマッキンリーを一度も見ることができなかったのですが、それを知った機長がマッキンリーの近くを飛行。雲の上からその姿を拝むことができました。こんな驚きがあるのもチャーターの旅ならではです。
アラスカにはまだまだフロンティアがあります。今回の旅は船や列車などを利用してその未知の世界の大きさにふれた旅でもありました。