ただ訪れるだけじゃない。旅のあとも地域とつながる「地域共創」という新しい旅のかたち

公開日 / 2026.05.18更新日 / 2026.05.18

「旅行会社って、ツアーを企画してお客様をご案内するのが仕事でしょ?」
そう思っている方も多いかもしれません。
もちろん、素敵な旅をお届けすることが私たちの本業です。
しかし、旅を通じて出会った地域の方々と肩を並べ、土に触れたり、お祭りの準備をしたり、ときには未来の地域について語り合ったりすることもあります。

旅をきっかけに、地域と長く続く関係を育てていく——。
そんな新しい取り組みにも挑戦しています。

キーワードは「地域共創」。

観光に「来て、見て、帰る」だけでは終わらない。地域と旅人が、まるで古くからの友人のように深く、長くつながり続ける。そんな、ちょっと欲張りで、最高にワクワクする新しい観光のカタチをご紹介します。

旅行会社が「まちづくり」に本気な理由

これまでの観光は、言わば「消費」の側面が強いものでした。有名な景色を見て、美味しいものを食べて、お土産を買って帰る。それももちろん魅力的な体験ですが、それだけではない観光のあり方も見つけられそうな気がしませんか。

そんな中、クラブツーリズムは「地域との共創」に着目し、様々な取り組みを行ってきました。
旅先の魅力を一方的に発信するだけでなく、その土地が抱える悩み(担い手不足や伝統の維持など)に寄り添い、一緒に解決策を探っていく。私たちが旅を通じて出会った素晴らしい地域が、10年後、100年後も輝き続けてほしい。そんな願いから、私たちは「まちづくり」の現場へと踏み出しました。

地域の皆さんと共に価値を育む。これこそが、これからの旅行会社が果たすべき新しい役割のひとつだと私たちは信じています。

「地域共創事業部」という、地域の課題解決エキスパートチームの挑戦

そんな想いを形にするため、2022年に誕生したのが「地域共創事業部」です。
このチームは、一般的な「ツアーを企画する部門」とは少し役割が異なります。そのミッションは、ツアーを販売することではなく「地域の課題を解決すること」。

全国の自治体や事業者の皆さんと膝を突き合わせ、「この町の隠れた宝物は何だろう?」「どうすれば若い世代にこの伝統をつなげられるだろう?」と、まるでその町の住民になったような気持ちで議論を重ねています。

時には行政の計画づくりをお手伝いし、時には地元の担い手育成を支援する。観光を「入り口」にして、その土地の「関係人口(ファンやサポーター)」を増やしていく。旅行会社ならではのネットワークと企画力を、すべて「地域の元気」のために全振りしているチームなんです。

「観光」の枠を超えた、継続的な絆づくり

私たちが目指しているのは、一度きりの訪問で完結しない、“顔の見える関係”。
たとえば、こんな「共創」が生まれています。

東京都台東区では、伝統や文化の継承を目的に、江戸創業の事業者を含む工房を訪ね、職人と触れ合うツアーを造成。歴史あるお店のファンづくりを旅の力でお手伝い。

長野県生坂村(いくさかむら)では、地域の方々と参加者が一緒になって地域課題の解決や里地里山の再生を行うことで、生坂村の自然環境を未来にわたって守り続けることを目指す訪問プログラム造成とコミュニティづくり。

2025年の「さっぽろ雪まつり」では通常は入れない開催前の会場に潜入し見学するツアーを実施。雪像づくりに携わるスタッフの生の声を聞き、苦労話だけでなく地域の方の伝統を受け継ぐやりがいや誇りなどの思いを共有しました。

これらは、単なる「お客様」と「地域の方々」の関係では生まれません。何度も足を運ぶうちに、「またあのおじいちゃんに会いたい」「あの景色を守りたい」という感情が芽生え、温かい絆が育っていくのです。

もちろん、地域の方々の受け入れ態勢が無理なく続くことも大切にしています。一過性のブームで終わらせず、持続可能な「おもてなしの心」を一緒に支えていくのも、私たちの重要な仕事です。

最後に。旅の終わりは、関係のはじまり。

「旅」は、訪れたその瞬間だけで完結するものではありません。
帰りのバスの中で「次はいつ行こうかな」と考えたり、家で買ってきたお土産を食べながら現地の風景を思い出したり。その余韻は、静かに、でも確かに続いていきます。

「旅」だけでは生まれない深い繋がりを、時間をかけて、丁寧に育てていく。
それが、クラブツーリズムが考えるこれからの観光のあり方です。

観光という入り口から地域と繋がり、ともに価値を育てていく姿勢を、私たちはこれからも大切にしていきます。

旅に出て、地域を楽しみ尽くす。それ自体が、立派な地域貢献のはじまりです。
クラブツーリズムはこれからも、地域とあなたが深くつながる「きっかけ」を作り続けます。
「観光」のその先にある、新しい景色を見つけにいきましょう。

教えてくれた人

浜口 みのり|クラブツーリズム株式会社/地域共創事業部所属

日本全国を訪れ、その土地の魅力に触れられるこの仕事が大好きです。
深く知るほど、「また帰りたい」と思う第二のふるさとや、「また会いたい」と家族のように大切に想う人が日本中にできました。
家族を連れてプライベートで訪れることもしばしば。
いつか第二のふるさとをめぐりに自転車で日本縦断することが夢です。

※本記事で紹介している地域共創の取り組みや事例は、2026年3月時点の情報に基づいています。最新の活動状況やツアーの実施状況については、クラブツーリズム公式サイト等でご確認ください。
※掲載している写真は一部を除きイメージ画像であり、実際の風景や活動内容とは異なる場合があります。