『坊ちゃん』の舞台として有名な愛媛の観光スポット12選

愛媛県松山市にある道後温泉は、日本書紀にも登場する日本最古の温泉街です。荘厳な建て構えの「道後温泉本館」は、国の重要文化財に指定されており、歴代の天皇家も訪れる歴史深い温泉です。泉質は「美人の湯」としても知られるように、きめ細やかな日本人の肌に合った優しいお湯が魅力。日帰り入浴可能な温泉や足湯スポットがたくさんあるため、宿泊客でなくとも十分楽しめるのがポイントです。また温泉街には、みかんの専門店「10FACTORY」や今治タオルのセレクトショップ「伊織」などがあり、愛媛ならではのお土産を買うことができます。

松山市の中心部、標高132mの勝山に築かれた松山城は、山頂に本丸、裾野に二の丸や三の丸を置く広大な城です。「日本三大平山城」の一つに数えられ、天守のほか櫓6棟、門7棟、塀7枚が重要文化財に指定されています。城からの眺望は素晴らしく、標高161mもある天主最上階からのパノラマは必見。遠くから城を眺めるなら、本丸公園の堀之内公園西側から城山を見上げるのがおすすめです。特定の日に開催される「お城の舞」や、土曜日に行われる「お伽座の昔語り」等のイベントも数多く開催されています。

瀬戸内に浮かぶ島々をつなぎ、本州と四国を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」。橋には自転車・歩行者専用道が整備されており、瀬戸内の美しく雄大な風景を味わえるサイクリングロードとして、国内外から注目を集めています。秋にはしまなみ海道を舞台としたウォーキング大会が開催され、5,000人規模の参加者を集めています。イルカと触れあえる「ドルフィンファームしまなみ」や海賊の博物館「村上水軍博物館」など観光スポットも多くあり、島を存分に楽しむなら、2日以上かけてゆっくり渡るのがおすすめです。

松山市の観光スポットをめぐる「坊ちゃん列車」は、昔ながらのレトロな蒸気機関車の形を模した、観光客に人気の路面電車です。120年以上前に実際に走っていた電車を復元したもので、当時は黒煙を上げながら松山市民の足として活躍していました。夏目漱石の小説「坊ちゃん」にある「マッチ箱のような汽車」という言葉の通り、素敵な木製の内装をしています。松山市駅電停そばの「坊ちゃん列車ミュージアム」には、実物の車両部品や昔使われていた切符が展示されており、坊ちゃん列車の歴史を知ることができます。

松山市の南西にある内子町は、大正ロマンあふれる古い町並みが魅力の観光スポットです。1982年に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されており、歴史的価値のある建物が並びます。「商いと暮らし博物館」「町屋資料館」等の観光スポットでは、実際に家の中に入って当時の生活を疑似体験できます。グルメを楽しむなら、内子町の町並みから少し足を延ばしたところにある「内子フレッシュパークからり」のレストランがおすすめ。内子豚や地元で採れた野菜を使った、和洋のメニューを楽しめます。

今治城は、瀬戸内海の海上交通の要所として栄えた今治市にあります。海から直接堀へ船で入れる城内の港など、海を最大限に利用した設計が特徴的。明治維新後に建造物のほとんどが取り壊されましたが、城中心部の石垣や内堀はほぼ完全に残っており、県の史跡に指定されています。天守閣の展望台からは「しまなみ海道」の「来島海峡大橋」や「大島」をはじめ、瀬戸内海の絶景を眺望することができます。天守内は博物館になっており、甲冑（かっちゅう）・刀剣や、今治近隣で採取された動植物の標本などが展示されています。

大洲城は、「伊予の小京都」と呼ばれる大洲市にあります。天守は明治21年に老朽化のため取り壊されましたが、明治期の古写真や様々な資料をもとに平成16年に復元されました。当時の技術を利用して、4層4階の天守閣が木造で復元されたのは日本初。大洲城の城域一帯は県の史跡に指定されており、城内に当時の姿のまま残されている4つの櫓は、国の重要文化財に指定されています。大洲城のそばにある「臥龍山荘」や「おおず赤煉瓦館」等と併せて、ノスタルジックな雰囲気を楽しめます。

宇和島城は標高76mの平山城で、別名「鶴島城」「板島城」「丸串城」とも呼ばれています。941年に橘遠保（たちばなのとおやす）が板島に砦を構えたのが始まりと言われており、かなり歴史の古い城です。現在の地に初めて天守が建造されたのは1601年、藤堂高虎（とうどう たかとら）による築城の際とされています。城の外郭は上から見ると不等辺5角形をしており、「築城の名手」と言われた高虎ならではの工夫が見られます。城内には少なくとも300年以上火災や伐採を免れた400種以上の草木が生い茂っています。石垣に群生するユキノシタや、石段に広がる苔など、美しい景観を楽しめます。

青島は愛媛県大洲市の沖合約13kmにある小さな島です。島の人口15人に対して100匹以上の猫が生活しており、猫好きなら一度は訪れたい「猫の島」として有名です。最盛期は800人以上の島民がいましたが、人口の減少が進み、島民の数が50名を割った10年ほど前から猫の数が増え始めました。猫好きにとっては楽園のような島ですが、飲食店や宿泊施設、自動販売機がないため、観光時は注意が必要です。猫の健康や島の環境保全を考慮し、餌やり場以外での猫への餌やり禁止等のルールを守って観光しましょう。

松山市にある「えひめこどもの城」は、草花や木々が立ち並ぶ自然豊かなスポット。フリーマーケットやマラソン等のイベントが毎週開催され、多くの親子連れで賑わいます。広い園内には「冒険の丘」「創造の丘」「環境体験学習コーナー」など、各年代の子供の興味関心に応じた遊びを選択できる「体験ゾーン」が設けられています。メイン施設の「あいあい児童館」には大型の遊具や楽器があり、雨の日でも一日遊べます。スワンボートやスリル満点のボブスレーもあり、大人も一緒に楽しめます。

日本一のタオルの産地である今治（いまばり）市には、タオルとアートが融合した「タオル美術館」があります。タオルを芸術として表現した展示のほか、タオル製造工程の見学、ショッピングを楽しめます。ギャラリーに続く「COTTON ROAD」には綿を使った巨大な食品のオブジェが置かれ、子供はもちろん、大人も足を止める人気の撮影スポットとなっています。様々なタオルアート作品を展示する企画展やムーミンの常設展は、とてもアーティスティックです。

「愛媛県立とべ動物園」は、伊予郡砥部町にある動物園です。約170種の動物がバランスよく飼育されており、ライオンやキリンはもちろん、ペンギンなど可愛い動物たちに会うことができます。特に人気が高いのは、動物園のアイドルであるホッキョググマの「ピース」。1999年に生まれて以来、ずっとこの動物園で育ってきました。ぬいぐるみのような白くてコロコロした姿や可愛らしい仕草が大人気で、部屋の前はいつも人だかりができています。