2022年クラブツーリズムカレンダー写真コンテスト入賞作品一覧
旅先で撮影した「旅の思い出」写真を大募集します。写真コンテスト入賞者には、全国各地の名産品をプレゼントしています。
また、ご応募いただいた写真作品はパンフレットやホームページに掲載させていただきますので、奮ってご応募ください。
最新のクラブツーリズムカレンダーについてはダウンロードしてお使いください。
2022年クラブツーリズムカレンダーコンテスト
入賞者発表
2022年クラブツーリズムカレンダー写真コンテストに多数のご応募をいただき、ありがとうございました。3463点の応募作品から、厳正な審査の結果、大賞1点、優秀賞2点、佳作5点の合計8作品が入賞となりました。惜しくも入賞を逃した作品にも秀逸な作品が多く、審査は困難を極めました。ご応募いただきました皆様に、重ねましてこころより御礼申し上げます。
※ページ内の“PN”はペンネームの意味です。
【審査・選評】板見 浩史 先生
フォトエディターとして多くの写真賞やコンテストの審査員を担当。
日本フォトコンテスト協会代表理事。公益社団法人日本写真協会顧問。NPO 法人フォトカルチャー倶楽部理事。
大賞
紅富士に添えて梅
ペンネーム・羊雲さん(茨城県在住)
撮影をゆっくり楽しめる写真撮影ツアーによく参加しています。こちらは今まで何度も通った岩本山公園での1枚。梅の赤色が映えつつ、富士山が逆光にならない瞬間を狙って撮影。天気がよく、撮影ポジションもうまくいったお気に入りです。
選評
まことに清々しい光と空気感にあふれた富士の風景です。寸分の隙も感じさせない画面構成もさることながら〝紅富士〞にさしかかった一瞬のシャッターチャンスも的確。紅白の梅花の画面配分も、富士を最大限に引き立てていて申し分ありません。早朝の梅の香が漂ってくるような凛とした気品と豪華さの両方が画面に満ちた、まれにみる〝富士秀景〞です。
優秀賞
春の屏風岩公苑
吉田 数政さん(奈良県在住)
標高940mにそびえ立つ高さ200mの切り立った「屏風岩」を背景に、樹齢100年以上の古木の山ザクラ300本が咲き誇ります。空の青と屏風岩そして淡いピンク色の山ザクラの絶景に癒やされながらシャッターを切りました。
選評
晴天に恵まれたために満開の桜の発色も美しく、重厚な構図にもかかわらず画面を軽やかな印象にしています。ふつうは画面を真横に貫く枝は強くなり過ぎますが、重々しい屏風岩の存在感のおかげで青空を飾る良いアクセントとなり効果を上げました。緻密な柱状節理の岩肌と煙るような遠景の桜とが良い対比を成し、素晴らしい春景を作り出しています。
秋色の小安峡
明石 義男さん(三重県在住)
朝霧の下りた小安峡を橋の上から撮った1枚です。色づき始めの、紅葉には少し早い時季でしたが、赤や黄色や緑の葉が美しいグラデーションを作り出していました。日が昇るのをじっと待ち、霧が晴れる瞬間の光の加減を意識してシャッターを切りました。
選評
紅葉の名所である小安峡の特徴的なⅤ字地形を、真上から望遠系レンズでズバリと切り取って力強い構成の作品に仕上げています。霧の動きをよくつかみ取ったことで遠近感もうまく強調され、奥行きのある幽玄な紅葉谷を描写することができました。川面の反射も目を惹きつけて効果的。千載一遇のチャンスを活かした作者のセンスと構成力が光ります。
※順不同
佳作
夕暮れの丸山千枚田
山本 武正さん(静岡県在住)
初めて訪れた丸山千枚田。夕焼けを撮影しようと訪れたのですが、撮影後しばらくすると美しい夜景に。思いがけず出会えた日本の原風景に感動して撮りました。シャッタースピードを遅くしたことで、車の赤いランプが良いアクセントになりました。
選評
先人が営々と築いてきた遺産である棚田を精緻な造形美として表現した作品。薄暮の水面にまだ残照が映えている時間帯を選んだことで、たくさんの畝が美しいレリーフになり浮かび上がりました。ところどころに輝く赤い尾灯の光跡が良いアクセントになっています。
毘沙門沼でボートを楽しむ
吉田 広正さん(東京都在住)
裏磐梯の五色沼・毘沙門沼での1カットです。動くボートの位置に気をつけながら、葉の緑と背景の磐梯山の山肌をきれいに撮影することを意識しました。定年をきっかけにカメラを始め、今では写真を撮りに旅行するのが趣味のひとつとなっています。
選評
静寂に包まれた避暑地の雰囲気をよく伝える作品で、見ていて飽きることがありません。ボートが唯一動きのある添景として重要な役割を果たし、背景の山もその先の世界を想像させ、作品に奥行きを与えています。カッコウの声さえ聞こえてきそうな素敵な写真です。
冬夕焼に映えるシェーンブルン宮殿のグロリエッテ
ペンネーム・Emily.iさん(東京都在住)
オーストリアのウィーンで撮った1枚です。夕日で雲がオレンジ色に輝いていました。グロリエッテ前の池が凍っていたので、なるべく水面に建物が映る場所を探して撮影。開放感のある庭園と美しい景色に癒やされました。
選評
まだ青みの残る空と夕映えとの色彩美に加え、ピンと張りつめたような硬質な冬の空気感が画面全体を支配していて魅力的です。人物や建物のディテールにもしっかりピントを合わせた撮影技術にも感心します。夕映えを水面で増幅させたアイデアも効果を上げました。
薫風の丘
山内 勝さん(兵庫県在住)
空気が温まると吹いてくる大阪湾の海風。その気流に乗って、丘が菜の花の香りに包まれる様子をカメラに収めました。ぽっかりと浮かぶ雲と、花畑をのんびり歩く人々の姿に、風薫る春の気配を感じていただけたらと思います。
選評
目の覚めるような色彩。山村暮鳥の詩「いちめんのなのはな」そのもの。ワイドレンズで丘の広さを強調し、花のボリューム感と遠景とを際立たせる手法が成功。全画面にピントが合い、細部までじっくり眺めて飽きさせません。雲と人物も良い瞬間を捉えています。
小樽運河の夜景
山本 寿子さん(静岡県在住)
「きれい!」と感じた瞬間を自由に撮影しながら楽しんだ北海道旅行。夜は雰囲気が変わり、より町並みが美しく見えました。なかでも小樽運河の写真は、感動した景色をうまく切り取れた 1 枚。美しい景色にあふれた北海道へまた行きたいです。
選評
落日直後の残照(ブルーアワー)と周囲の人工光とがミックスされ、不思議な雰囲気を醸し出す小樽運河。色とりどりの美しい水面に沿って緩やかに画面奥へと視線を誘い込むフレーミングがなかなか巧みです。旅ごころを刺激するエキゾチックな魅力に満ちています。