2020年クラブツーリズムカレンダー写真コンテスト入賞作品一覧
旅先で撮影した「旅の思い出」写真を大募集します。写真コンテスト入賞者には、全国各地の名産品をプレゼントしています。
また、ご応募いただいた写真作品はパンフレットやホームページに掲載させていただきますので、奮ってご応募ください。
最新のクラブツーリズムカレンダーについてはダウンロードしてお使いください。
2020年クラブツーリズムカレンダーコンテスト
入賞者発表
2020年クラブツーリズムカレンダー写真コンテストに多数のご応募をいただき、ありがとうございました。6787点の応募作品から、厳正な審査の結果、大賞1点、優秀賞2点、佳作5点の合計8作品が入賞となりました。惜しくも入賞を逃した作品にも秀逸な作品が多く、審査は困難を極めました。ご応募いただきました皆様に、重ねましてこころより御礼申し上げます。
※ページ内の“PN“はペンネームの意味です。
【審査・講評】板見 浩史 先生
フォトエディターとして多くの写真賞やコンテストの審査員を担当。
日本フォトコンテスト協会代表理事。公益社団法人日本写真協会顧問。NPO 法人フォトカルチャー倶楽部理事。
【審査・講評】平嶋 彰彦 先生
写真家、編集者。元毎日新聞社出版写真部長、ビジュアル編集室長。
共著に『昭和二十年東京地図』(筑摩書房)、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など。
大賞
五箇山真冬の花火
齋藤 拓さん(東京都在住)
クラブツーリズムの「おひとり参加限定の旅」で訪れた冬の五箇山での1カット。花火の撮影は難しく、一度タイミングを逃してしまえば同じ花火は二度と上がりません。一瞬のチャンスを逃さないように気をつけながら撮影しました。
講評
背景の空と山々、ライトアップされた合掌集落や雪面など、全体にバランスよく光が回っているため、まるで壮大な舞台写真を見るような面白さがあります。建物と花火だけを狭く捉えずに、広いフレーミングで山里の全貌を描写したことが功を奏しました。初発の花火のためか、煙も生じずに透明感のある世界を表現できました。
(板見先生)
ライトアップされた合掌造りの民家と打ち上げ花火。世界遺産で知られる五箇山の冬。幻想的というか、超現実的というか、不思議な美しさを感じさせる作品。観光客をさりげなく写し込んでいますが、五箇山は平家の落人伝説の地。写真から今と昔の変化が分かります。観光写真としてはもちろん、記録写真としても、秀逸な作品です。(平嶋先生)
優秀賞
三多気の山桜
山本 武正さん(静岡県在住)
三多気の山桜を見に行ったのは2回目です。昨年は満開の山桜を見ることができず、今年再挑戦しました。風もなく穏やかな天候の中、撮影が行えました。ほかの方とは違う写真を目指し、変わった角度からの撮影に挑戦。水面に映った桜を生かして撮れたこの作品は、お気に入りの写真です。
講評
限られた撮影ポジションから、実に堅実なフレーミングを探し出しました。露出も明る過ぎず、桜の華やかさを損なわない程度まで抑えめにしたので、田の水面に桜の姿がしっかり映り込み、遠くの山影や手前の石垣もしっとりと描写されました。微風だったこともあり、棚田への桜の反映が美しく描写されたのは幸運でした。(板見先生)
エンパイアステートビルと夕焼け
杉崎 陸さん(京都府在住)
タイムズスクエアの屋上にのぼり、夕焼けの時間帯を待ちました。ニューヨークの象徴であるエンパイアステートビルを中央に、ニューヨークの街並みを写せるスポットを選定。天気が良かったため美しい夕焼けを撮影できました。
講評
エンパイアステートビルは、ニューヨークの超高層ビルの代表格。都市が最も装いを凝らすのは夕暮れ時。その美しさに魅せられるだけでなく、なにか敬虔(けいけん)な気持ちにさせられる作品。エンパイアと地平線が十字を描いていますが、この絶妙な構図の取り方が、作品をより格調高くしています。
(平嶋先生)
※順不同
佳作
巨大岩と砂
身野 寿孝さん(大阪府在住)
透き通るような青さが印象的な沖縄の海。中でも、宮古島の海は格別に美しいと感じました。当日は晴天にも恵まれ、鮮やかな青空と海の青さがとても印象的。洞窟が作り出す陰と海とのコントラストを意識して撮影しました。
講評
白砂とコバルト色の海との対比が心地よい作品。思い思いに初夏を堪能する人々の姿が的確に捉えられています。特に右の二人は貝探しに夢中なのでしょうか、動きもあり良い点景となりました。中央のトンネル部分も額縁のように人物を引き立てていて印象的です。(板見先生)
イアのサンセット
石崎 敦子さん(千葉県在住)
ずっと憧れの場所だったサントリーニ島。中でもイアのサンセットを見ることをとても楽しみにしていました。町並みを見渡せるスポットを選定し、3時間ほど待って、念願の夕日を見ることに成功しました。空の移り変わりによって町の色が変化する過程も写真に収めることができてうれしかったです。
講評
エーゲ海に浮かぶサントリーニ島。ギリシャ神話にも出てくる火山島で、断崖の上の急斜面におとぎの国のような白壁の家や風車が並ぶ人気スポット。あかね色に染まる空と海に、街の灯りが映える夕景のなんという美しさ。旅の幸せを感じさせる見事な作品です。(平嶋先生)
寒露の色づき
松澤 朝夫さん(東京都在住)
奥日光一帯でも竜頭ノ滝は早く色づく場所。静かな流れの滝なので、ロングシャッターによる絹糸撮りを狙いました。また二手に分かれる流れを入れ込みながらも奥側の流れをメインに捉えました。カメラマンで混雑していましたが、譲り合いながら短時間でいい景色が撮れました。
講評
日光の名瀑のひとつ「竜頭ノ滝」。定番位置からのオーソドックスな狙いながら、コントラストを弱め、ソフトに描写しています。全体の紅葉も絶頂期ではありませんが、錦秋の彩りと緑との対比も淡く上品で、あたかも水彩画のような見飽きぬ魅力をたたえています。(板見先生)
おとぎの街
田口 富男さん(京都府在住)
城壁から見たチェスキー・クルムロフの街並みです。何の予備知識もなくツアーで訪れた街でしたが、雪の積もった屋根がまるで子供のころに読んだ絵本やおとぎ話の世界のようで、印象に残りました。この後、街を散策するために絵本の世界へと入っていきました。
講評
ボヘミア時代からさまざまな変遷を経て現代に美しい姿を残す都市、チェスキー・クルムロフ。世界遺産である歴史地区の冬のたたずまいを、シンボルの城と川を巧みに入れて切り取っています。雪でカラフルな屋根の色彩は省略されたものの、かえってすがすがしさが強調されました。
(板見先生)
なつぞらの花のパッチワーク
秦 勉さん(兵庫県在住)
知床ツアーの最終日に訪れた、美瑛町・四季彩の丘。パッチワークのように広がる花畑が美しく、入園した瞬間息をのみました。限られた時間の中で撮影スポットを探し回って、ベストポジションを発見。画角をワイドに捉えて大自然を表現することができました。
講評
北海道の美瑛と富良野には、花のパッチワークと愛称される雄大な花畑があり、この作品の撮影地もそのひとつ。短冊状に何種類もの花が咲き誇る花畑の描写もさることながら、その奥に、野菜畑や穀物畑、さらにその奥に、緑の山々を配した構図が素晴らしいと思います。(平嶋先生)