2018年クラブツーリズムカレンダー写真コンテスト入賞作品一覧
旅先で撮影した「旅の思い出」写真を大募集します。写真コンテスト入賞者には、全国各地の名産品をプレゼントしています。
また、ご応募いただいた写真作品はパンフレットやホームページに掲載させていただきますので、奮ってご応募ください。
最新のクラブツーリズムカレンダーについてはダウンロードしてお使いください。
2018年クラブツーリズムカレンダーコンテスト
入賞者発表
2018年クラブツーリズムのカレンダー写真コンテストに多数のご応募ありがとうございました。7323点の応募作品から、厳正な審査の結果、大賞1点、優秀賞2点、佳作5点の合計8作品が入賞されました。おめでとうございます。惜しくも入賞を逃した作品も秀逸な作品が多く、審査は困難を極めました。ご応募いただきました皆様に、こころより感謝申し上げます。
※ページ内の“PN“はペンネームの意味です。
板見 浩史先生
フォトエディターとして多くの写真賞やコンテストの審査を担当。日本フォトコンテスト協会代表理事。公益社団法人日本写真協会顧問。NPO法人フォトカルチャー倶楽部理事
平嶋 彰彦先生
写真家、編集者。元毎日新聞社出版写真部長、ビジュアル編集室長。共著に『昭和二十年東京地図』(筑摩書房)、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など
大賞
秋の第一只見川橋梁
岩間 しげるさん(千葉県在住)
昨秋、1泊2日のツアーで訪れた際の写真です。ちょうど橋梁を列車が通過する瞬間に出合うことができ幸運でした。雲のたなびきや雨上がりの情景が美しく、全体の雰囲気が伝わるよう、奥行きを意識して撮った一枚です。
講評
デジタル写真特有の高コントラスト&高彩度表現を上手に駆使して、只見川の立体的な秋景を再現しています。鉄橋と列車だけに囚われず手前から遠景までを深いピントで描写したことで、素晴らしいスケール感が出ました。日本の山河の美しさを余すところなく描出していて見事です。(板見先生)
『銀河鉄道の夜』を思わせる壮大なスケールでとらえたJR只見線の秋景色。素晴らしいのは、秋色に染まる渓谷と山々に大きくスペースを割き、主役のアーチ橋とそれを渡る列車は控えめに配する思い切った画面構成。鉄道写真としても群を抜いていますが、自然と人工の融和を詩情豊かに表現した風景写真として、大賞にふさわしい作品だといえます。(平嶋先生)
優秀賞
夜明けの雪原
明石 義男さん(三重県在住)
クラブツーリズムの「写真撮影の旅」での1カットです。期待していたサンピラーやダイヤモンドダストには出合えませんでしたが、マイナス20℃の凍てつく寒さの中、霧氷に輝く雪原に朝陽が射して、夢のような世界を演出してくれました。
講評
冬ごもりの雪原に屹立する1本の木立。よく見ると、樹の幹は曲がっていますが、梢はまっすぐ天空に伸びようとしているのがわかります。厳しい自然環境を生き抜く生命のたくましさに、驚かずにはいられません。天地左右の配分が的確な構図もさることながら、日が昇る直前の時間帯を狙った構想力が、この作品を成功に導いた一番の要因と思われます。(平嶋先生)
アルプの里
浅野 章さん(茨城県在住)
以前、山登りをしていたことから、各地で山を撮ってきましたが、私にとってスイスの山は格別に感じられました。グリンデルワルトの牧歌的な村の風景と山に残る雪や岩の表情が何とも言えず印象的で、心を動かされて撮影した一枚です。
講評
大きな山に抱かれたスイスの山里の暮らしが、克明な描写によってまるで絵本のように明快に表現されているところがこの作品の魅力です。山と雲を多く取り入れたフレーミングも的確で、本場のアルプスの雄大さをうまく強調しています。広大な画面からは見るたびに発見があり、見飽きることがありません。(板見先生)
※順不同
佳作
春一番
PN.安曇野さん(茨城県在住)
例年、桜の時季はあちこちと目移りしてしまいますが、みなみの桜は早咲きのためゆったりと撮影することができました。天気にも恵まれて良いタイミングで満開の桜に出合えたことは、撮影シーズンの始まりに気持ちの良いスタートとなりました。
講評
日本人なら誰でも心がはずむ春の風景。河津桜も菜の花も、そこに暮らす人たちが植えたものに違いありません。人の手が加わると自然は美しくなるということですね。青空に抜ける主役の桜と脇役の菜の花、背景に川の流れと山々を収める画面処理は絶妙の一言。(平嶋先生)
鏡となる池
堀江 恵美子さん(千葉県在住)
クラブツーリズムの日帰りバスツアーで、一度は見たかった御射鹿池に行くことができました。深い緑に囲まれた池は鏡のようで、感動して何枚も写真を撮りました。曇り時々雨でしたが、かえってプラスに作用してくれたのかなと思います。
講評
ほぼ天地対称にフレーミングされた構図のなか、下半分の水面だけが微風でわずかに揺らいでいることで、静寂のなかに幽かな動きが生まれました。緑の発色も抑制を効かせ上品に再現されていて、作者の繊細な作画意識を感じます。(板見先生)
飛翔
高橋 正美さん(千葉県在住)
360°の視界に恵まれた丘の上での撮影でした。今までに何度もオーロラを撮影していますが、今回は特に大きなオーロラ爆発に出合いました。頭上のオーロラが空を舞う鳥のように見え、「飛翔」というタイトルを付けました。
講評
オーロラが、まるで神さまか何かが舞い降りてくるようなファンタジックなイメージで表現されています。オーロラ撮影の悩みの種は暗さにあります。スローシャッターによる被写体ブレがつきもので、それを逆転させた演出力が見事。背景の静止した星空も効果的。(平嶋先生)
キセキの谷
杉村 絹子さん(神奈川県在住)
デッドフレイ(死の沼地)を目の当たりにした時、感動で思わず息を呑み、そしてこの風景をイメージ通り撮影することに細心の注意を払いました。ナミブ砂漠の特徴であるアプリコットカラーが上手く表現できたと思います。
講評
広大なナミブ砂漠のなかで、タイトなフレーミングによってこのアート作品を切り取った作者のセンスに敬意を表します。独特の砂の色を活かしてシルエット表現された枯れ木が、まるで踊っているようにも見え、想像が広がります。(板見先生)
風よ空よ大地よ宇宙よ
渡辺 猛さん(兵庫県在住)
3月、雨季のウユニ湖をツアーで訪れた。うっすらと水が張る平らな湖面は天空を映す鏡となる。天候に恵まれ、日没、朝焼け夕焼け、満天の星…、かつて見たことのないスケールの空の情景に出合えた。「あの空をバックに写真を撮ろう!」という誰かの発案に、みんなが応じた。
講評
朝日か夕日か、鏡のような水面に美しく映えています。そこに立つ12人。シルエットだから、年齢も性別も出身国もわかりません。たしかなのは、全員が手と手を取りあっていること。共生を大切に、という演出でしょうか。とても素敵なイメージ表現になっています。(平嶋先生)