栃木県内に湧出する源泉数はおよそ600。関東では最多を誇る温泉天国です。全国的にも有名な温泉地から、知る人ぞ知る秘湯まで、お好みの温泉を探すのもまた楽しそう。宿のお湯をゆっくり満喫するのも格別ですね。
No.01 鬼怒川温泉
鬼怒川の渓谷沿いに位置する鬼怒川温泉。江戸時代に発見された温泉で、かつては日光詣の大名や僧侶など、位の高い人しか入浴できなかったそうです。宿泊するなら、130年の歴史をもつ老舗ホテル「鬼怒川温泉 あさや」がおすすめ。鬼怒川温泉の中で最も高い場所にあるお風呂「空中庭園露天風呂」は開放感抜群です。「きぬ川ホテル三日月」での立ち寄り湯も魅力的。ガーデンスパや露天風呂を完備し、土日祝日にはランチバイキングセットのプランも。世界の建造物のミニチュアが集まる「東武ワールドスクウェア」、江戸時代の町並みを再現した「江戸ワンダーランド日光江戸村」など、周辺観光も楽しめます。
No.02 奥日光湯元温泉
奥日光にある、硫黄泉が特徴の奥日光湯元温泉。延暦7年(788年)に日光開山の祖・勝道上人が発見したことで知られ、適応症はリウマチや神経痛とされています。日帰りで訪れるなら、ぜひおすすめしたいのが「日光山温泉寺」。お寺の境内で入浴できる全国でも珍しい温泉です。志納金(大人500円/2020年4月現在)を納めることで、風情たっぷりの薬師湯に入れます。宿泊は隠れた名宿「ゆの森」はいかがでしょうか。全客室に天然温泉の露天風呂を完備。プライベートな空間でゆったりと湯あみが楽しめます。奥日光は、湯ノ湖や戦場ヶ原など自然の絶景スポットも充実。戦場ヶ原は遊歩道が整備されていて歩きやすいので、カメラ片手に気軽なハイキングに出かけてみては。
No.03 湯西川温泉
湯西川の渓流沿いに旅館や民家が並ぶ、湯西川温泉。壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人が、出湯で傷を癒やしたという伝説が残っています。おすすめの観光スポットは、落人伝説を伝える「平家の里」。この地方に伝わる伝統芸能や民芸品などを、豊富な展示資料から学ぶことができます。宿泊は「平家伝承かずら橋の宿 本家伴久」へ。広々とした3つの露天風呂は貸し切り利用も可能です。名物の炭火囲炉裏焼き料理も人気。川魚などの山の幸を存分に堪能できます。そして湯西川温泉といえば、冬の風物詩「湯西川温泉 かまくら祭」。河川敷に無数のミニかまくらが並びます。夜になるとかまくらがライトアップされ、温泉街が幻想的なあかりで満たされます。
No.04 塩原温泉郷
開湯約1200年の歴史を誇る塩原温泉郷。宿数は60軒ほどですが、源泉数はなんと150以上!単純泉や酸性泉、炭酸水素塩泉など、ひとつの温泉街でさまざまな泉質のお風呂に入ることができます。周辺には塩原渓谷があり、四季折々の自然が楽しめるのも魅力の一つ。春から初夏にかけてヤシオツツジの桃色の花が美しく、夏は新緑、秋は紅葉が山を彩ります。冬には雪に覆われた森をスノーシューで散策できます。日帰りで塩原温泉を訪れるなら、「湯っ歩の里」へどうぞ。全長60mにおよぶ日本最大級の足湯があります。家族や友達とおしゃべりしながらゆったりリラックスしませんか。
No.05 那須湯本温泉
1300年以上の歴史がある名湯。最も歴史の古い「鹿の湯」は共同浴場として地元の人からも愛されている那須湯本温泉のシンボルです。「那須高原ホテル 松川屋」は、その「鹿の湯」と「奥の沢」の源泉を引湯したくつろぎの湯宿。無加熱・無加水・無循環、自然のままの温泉を堪能できます。季節ごとに花々が咲き変わるのも那須の魅力。桜、ツツジ、ニッコウキスゲ、リンドウ、ヒガンバナと、春から秋にかけてさまざまな花が野山を彩ります。お昼時には、ぜひおしゃれな高原ランチを。イタリア料理「ジョイア・ミーア」のピザは、薪を使って窯焼きした本格派。小麦粉からトマトまで、那須高原の新鮮な素材を使用した、こだわりの逸品です。
No.06 奥鬼怒温泉
鬼怒川温泉からバスで約1時間40分。人里離れた山奥にある奥鬼怒温泉は、「関東最後の秘境」とも呼ばれています。加仁湯、八丁湯、手白澤温泉、日光澤温泉の4つの湯からなり、それぞれ野趣あふれる露天風呂が楽しめます。いずれの温泉も日帰り入浴が可能ですが、日光国立公園内にあり、自家用車では立ち入ることができません。1時間ほど歩いてようやくたどり着く、まさに秘湯中の秘湯なのです(施設によっては送迎あり)。夏は涼しく過ごしやすいですが、降水量も多めです。冬は寒く、気温が0度を下回ることも少なくありません。奥鬼怒を訪れるなら、春から初夏、秋の時季がおすすめです。
No.07 川治温泉
男鹿川と鬼怒川の合流地点にある渓谷地帯に佇む川治温泉。かつては会津街道の宿場町として栄えた、静かでゆったりとした時間が過ごせる名湯です。宿泊には「星野リゾート 界 川治」がおすすめ。開放的な大浴場と渓流のせせらぎを耳に湯あみが楽しめる露天風呂が自慢の宿です。手挽きの石臼体験や烏山和紙の手漉き体験など「里山の暮らし」も体験できます。日帰り入浴なら「湯けむりの里 柏屋」へ。タイミングが合えば野岩鉄道が鉄橋を渡る風景が、露天風呂から見られます。入浴後は「手打そば 朝日屋」へ。川治で約40年営業を続ける老舗で、美味しいおそばで一杯というのはいかがですか。
No.08 中禅寺温泉
華厳ノ滝や中禅寺湖に近く、古くから旅人に愛されてきた温泉。日帰り入浴できる施設がたくさんありますが、明治創業のクラシックホテル「中禅寺金谷ホテル」もそのひとつ。大正時代には英国皇太子をはじめ、各国の王侯貴族をお迎えした名門中の名門です。「空(そら)ぶろ」と名付けられた露天風呂は白濁の湯をたたえた硫黄泉。その名の通り空を仰ぎ、四季折々の情緒を楽しみながら入浴できます。周辺の散策には「中禅寺温泉フリーパス」(大人2,100円・2日間有効/2020年4月現在)が便利。期間中、何度もバスの乗り降りができる切符です。日光や華厳ノ滝、明智平など、名所めぐりをお楽しみください。
No.09 板室温泉
那珂川(なかがわ)上流の山あいに位置する板室温泉。「下野の薬湯」と呼ばれる板室温泉の効能は昔から有名で、湯治の里として全国から多くの人々が訪れます。泉質はアルカリ性単純泉で、適応症は筋肉痛や神経痛とされています。この湯治の里に、平成6年に開業した日帰り温泉施設が「板室健康のゆグリーングリーン」です。梁から下がる綱につかまって深い浴槽に入る「綱の湯」が名物で、観光客のみならず地元住民にも親しまれています。宿泊施設の少ない板室温泉ですが、レトロな宿や現代建築の宿など、どれも個性豊か。自分好みの宿を、ぜひ探してみてください。
No.10 芦野温泉
江戸時代、奥州街道の宿場町として栄えていた地にたたずむ芦野温泉。刺激性の強い「薬草の湯」の適応症は神経痛や関節痛、五十肩に冷え性、慢性消化器疾患など多岐にわたり、湯治場として幅広い年齢層に支持されています。特に実症用の「那岐の湯」の刺激は強く、入って5分もすると傷や荒れた肌など、体の弱ったところにヒリヒリと痛みが出てきます。そのため、5分ほどで上がって休憩を挟み、また入るということを2度、3度と繰り返します。宿泊でも日帰りでも入浴できますが、湯治場のため未就学児(小学生未満)は入館できません。
栃木県内には、大きな温泉街から秘湯といえるような温泉まで、たくさんの温泉があることがおわかりいただけたでしょうか。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ栃木県の温泉を満喫してみてくださいね♪
-
掲載内容は記事公開時点のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。