2018年のテレビドラマで注目を集めている鹿児島県、幕末から太平洋戦争にかけて重要な役割を果たしてきました。その時の記録・資料や建物などに加え全国的に有名な温泉もあるのでご紹介します。
No.01 知覧特攻平和会館
南九州市知覧町郡にある知覧特攻平和会館には、第二次世界大戦末期に編成された大日本帝国陸軍航空隊の特攻に関する資料、写真、遺書など約4,500点と、特攻隊員の遺影1,036柱などが展示されています。鹿児島空港からはバスを乗り継いで2時間弱、鹿児島中央駅からは電車とバスを乗り継いで約1時間ほどの所要時間。車なら鹿児島空港・鹿児島中央駅どちらからも1時間強で着くことができます。
スタッフのおすすめPoint!
展示された遺品などから、特攻で戦死した隊員たちの当時の真の姿を垣間見ることができます。戦闘機の実寸大の機体や隊員が家族・知人に残した遺書・手紙・辞世・絶筆など、涙なしには見られません。親の立場であれば、我が子がこんなことになったら…と思いを馳せ、成年男子なら「必死」の作戦に参加しなくてはならなかった心境がどのようなものだったのか深く感じることでしょう。この記録を後世に残し、恒久の平和に努めることが私たちの役割だと改めて認識させられます。
No.02 桜島
桜島は、鹿児島湾(錦江湾)を形成する姶良カルデラの南端にある、東西約12km、南北約10km、周囲約55km、面積約77kmの活火山です。かつては独立した島でしたが、1914年(大正3)の噴火により、鹿児島市対岸の大隅半島と陸続きとなりました。2011年の爆発的噴火が996回と記録されているように、今もなお活発な活動を続けています。
スタッフのおすすめPoint!
桜島は約2,600万年前に誕生して以来、17回もの大きな噴火を繰り返してきました。しかし、桜島大根や桜島小みかんといった農作物や温泉など、火山がもたらす自然の恵みも多くあり、島には今でも約4,600人の人が暮らしています。自然や山が好きな人なら、噴煙を上げる桜島の姿や溶岩原の非日常の景色に驚くことでしょう。ただし、いつまた大きな噴火が起こるかわからないため、小さいお子さんを連れて行くのはオススメできません。
No.03 霧島神宮
霧島神宮は、建国神話の主人公、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が祀られた霧島市にある神社です。ここでは年間100を越える祭儀が行われており、中でも元旦と2月11日に本殿で奉納される九面太鼓は、勇壮な郷土芸能として県内外から注目を集めています。また、桜や紅葉のシーズンは朱塗りの社殿がより引き立てられ、荘厳で豪華絢爛なその姿を目当てに多くの人が訪れます。
スタッフのおすすめPoint!
天照皇大神より御神勅を戴き、三種の神器と稲穂を捧持して高千穂峰に天降った日本の肇国の祖神・瓊瓊杵尊を主祭神として奉斎している由緒ある神社です。樹齢800年の御神木やさざれ石、さらには霧島七不思議伝説のパワースポットとしても有名で、坂本龍馬とおりょうさんも新婚旅行の際、参拝したといわれています。絢爛たる朱塗りの本殿、拝殿、登廊下、勅使殿、門守神社などの“配置の美”が最大の見どころで、国の指定重要文化財に指定されています。
No.04 仙巌園
仙巌園は、島津家19代当主・薩摩藩第2代藩主の島津光久により、万治元(1658)年、鹿児島市吉野町に築かれた別邸です。近代日本の技術力、工業力の原点ともいえる地であり、2015年7月には史跡・建物を構成資産とする「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されました。鹿児島中央駅からは車で約20分、鹿児島空港からは車で約40分のところにあります。
スタッフのおすすめPoint!
錦江湾や桜島を庭園の景観に取り入れる「借景技法」が造り出す雄大な景色が最大の魅力。28代当主島津斉彬がこよなく愛し、徳川家に嫁いだ篤姫も足を運んだといわれています。幕末から明治にかけて各国の要人が訪れていることからもわかるように、薩摩藩・鹿児島県の迎賓館のような存在でもありました。歴史に興味がある人にはとくにオススメの場所で、園内には工芸品を扱う仙巌園ブランドショップや、さつまあげ、鹿児島銘菓「かるかん」といったお店もあります。
No.05 指宿温泉
指宿温泉は、指宿市東部にある摺ヶ浜温泉、弥次ヶ湯温泉、二月田温泉などの温泉群の総称。温かい砂の中に寝転ぶ「砂むし」が有名です。温泉以外にも、日本百名山のひとつである開聞岳や、JR日本最南端の小さな無人駅・西大山駅など見どころが多くあります。電車ではJR鹿児島中央駅から指宿枕崎線で約1時間、鹿児島空港からは直行バスで約1時間35分の所要時間です。
スタッフのおすすめPoint!
やはりイチオシは、砂むしで有名な摺ヶ浜温泉。長さ約1kmの砂浜に温泉で加熱された高温部があり、浴衣を着たまま砂に埋まって温まります。砂むしは、普通の温泉より3~4倍血行をよくするといわれており、老廃物の排出や炎症性・発痛性物質を洗い出し、十分な酸素栄養を供給してくれます。身体のリフレッシュ効果が期待できるので日頃の疲れを癒したい人にオススメです。砂むし以外にも温泉街らしく街中には多くの公衆浴場や足湯などがあります。
No.06 知覧武家屋敷庭園
江戸時代、薩摩藩は「外城」と呼ばれる102の地区に領地を分け、それぞれに武家集落を作りました。鹿児島に武士団を結集させることなく分散して統治にあたらせるためです。その中のひとつがこの知覧武家屋敷群で、地区内にある7つの庭園は国の名勝に指定されるほどの見応えです。庭園は、鹿児島空港からは車で約1時間半、鹿児島中央駅からは車で約1時間のところにあります。
スタッフのおすすめPoint!
「優れた意匠で構成されており、その手法は琉球等庭園と相通じるものがあり、庭園文化の伝播を知る上でも貴重な存在である」として、知覧武家屋敷群の地区内の7つの庭園が国の名勝に指定されました。この7つの庭園の中で森重堅邸庭園のみが水の要素を取り入れた池泉式、ほかは全て白砂を敷き詰めた枯山水式となっており、今に残る枯山水の伝統美と時代の息吹を感じさせてくれます。
No.07 屋久島
屋久島は九州本島最南端の佐多岬の南南西約60km海上にあり、面積は山手線内の約7倍。1993年12月11日、白神山地とともに日本初の世界自然遺産として正式に登録されました。飛行機は大阪と福岡から1日1便、鹿児島からは1日5便、船なら鹿児島から1日何便も出ています。島までの所要時間は、鹿児島からの飛行機で約30分、船では高速船で約2時間かかります。
スタッフのおすすめPoint!
国内では他にあまり見ることができない独自の生態系や景観。これこそが屋久島の一番の魅力で、世界自然遺産に登録された理由でもあります。昭和39年の国立公園指定以前からも、 ここを訪れた植物、動物学者からは「類を見ない島」「人類の至宝」と評価されてきました。近年はアニメの舞台のモデルとして、その圧倒的な世界観が注目されています。比較的雨が少ない3~5月と10~11月が好期といえますが、しっかりとした雨具は常に用意してください。
No.08 大隅半島
大隅半島は九州の南部、鹿児島湾(錦江湾)の東岸に位置する半島。同湾内にある桜島とは1914(大正3)年の「桜島大正大噴火」で陸続きとなりました。本土最南端にある佐多岬は、景勝地としても広く知られています。半島全体への鉄道は整備されておらず、また、バスの運行も縮小傾向にあるため、観光での移動手段はツアーへの参加かレンタカーの利用がオススメです。
スタッフのおすすめPoint!
落差46m、幅60mを誇る雄川の滝は、美しいエメラルドグリーンの滝壺をしています。また、本土最南端の佐多岬は、天気がよければ屋久島や種子島が望めます。学問の神様、菅原道真公が祀られる荒平天神は、海に突き出た岩山上(天神島)に建っており、手前の鳥居と海の組み合わせは絶好の撮影スポットです。移動時間が限られている場合は、旧日本海軍の貴重な資料が展示される鹿屋航空基地史料館、神川大滝公園、荒平天神をめぐるコースがオススメです。
No.09 奄美大島
奄美大島は、九州南方海上にある奄美群島の主要な島。本州などの4島を除くと佐渡島に次いで5番目の大きさになります。マングローブ原生林や絶滅危惧種の動物なども多く生息しており、2018年には世界自然遺産への登録が見込まれています。温暖な気候で沖縄より近く、最近ではLCCの運行も開始され東京や大阪からの直行便も出ていることから、さらに人気が増しています。
スタッフのおすすめPoint
奄美大島の魅力は、なんといっても綺麗な海。サンゴ礁が美しい「あやまる岬」や、ハートの形をした海岸の潮だまりの「ハートロック」も人気のスポットです。他にも、亜熱帯の植物が残っている金作原原生林は東洋のガラパゴスといわれ、南部のマングローブ原生林の間を流れる川ではカヌーが楽しめます。海でシュノーケリング、川でカヌー、森で探検と自然を満喫できる要素がたくさんあるので、お子様連れのファミリーにもオススメです。
No.10 池田湖
池田湖は薩摩半島南部の指宿市にある周囲15km、水深233mの九州最大のカルデラ湖です。指宿市の天然記念物に指定されている体長約1.8メートルの大うなぎが数多く生息し、湖畔には四季折々の花々が植栽されています。特に1月は一面を覆う黄色い菜の花が満開となり多くの人が訪れます。池田湖は、鹿児島空港から車で約1時間半、JR指宿駅からは車で約25分のところにあります。
スタッフのおすすめPoint!
湖の南には、開聞岳が鎮座。美しい光景を織りなしています。また1961年頃からは、湖の中に巨大水棲生物「イッシー」が存在するとの噂も。1978年には住民約20名が目撃し、全国で報道されたため有名になりました。湖に生息する市天然記念物の大うなぎが最大2mにも達することから、これが正体ではないかともいわれています。1月には湖畔に植えられた菜の花が満開となり「菜の花マラソン」などが開催され、一足早い春の訪れを感じさせてくれます。
桜島に屋久島、奄美大島と、手つかずの大自然が多く残る鹿児島。雄大な自然の前では、日頃の疲れやストレスも吹き飛んでしまうことでしょう。
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