スリランカはインドの南東に位置する緑ゆたかな熱帯の島。面積は北海道の8割ほどで人口は約2200万人。70%以上が仏教徒で「生きとし生けるものは皆幸せであれ」という慈愛の心に満ちた仏教国です。今回は、「光り輝く島」という意味をもつスリランカのおすすめ観光スポット20選をお届けします。
No.01 シギリヤロック
スリランカで屈指の人気を誇る世界遺産シギリヤロックは、5世紀シンハラ王朝カーシャパ1世が巨大な岩山に築いた要塞王宮。高さ約200m、遮るもののない頂上からは密林に覆われた大パノラマの絶景が広がり、まるで楽園にいるような気分が味わえます。天空に浮かぶ古代宮殿跡のほか、いまなお鮮やかに残るシギリヤレディと呼ばれるフレスコ画や、綿密なシンメトリーの水の庭園など見どころ満載です。発見されたのはイギリス統治下の1875年。約1400年に渡り密林に埋もれていたミステリアスな遺跡まで、ぜひ足を伸ばしてみてください。
No.02 ダンブッラ石窟寺院
ダンブッラ石窟寺院は、シギリヤロックから車で約30分強、スリランカ中部のダンブッラにある国内最大かつ保存状態が良いとされる石窟寺院。その歴史的・文化的重要性から1991年には世界遺産に登録されました。5つの石窟から構成され、第1窟「聖王の石窟」の全長約14mにおよぶ巨大な涅槃像が窟内いっぱいに横たわる姿は圧巻です。第2窟ではところ狭しと並ぶ黄金の仏像や煌びやかな色使いで描かれた天井画、第3窟~5窟でも数多くの黄金仏像が見られます。ひんやりとした石窟の中で、スリランカの歴史に思いを馳せながら仏教芸術を堪能してみてはいかがでしょうか。
No.03 アヌラーダプラ
スリランカの北中部州にあるアヌラーダプラは、スリランカ最古の都で1982年には世界遺産にも登録されました。また、アヌラーダプラから車で約20分の場所にあるミヒンタレーは、インドから仏教が初めて伝わった地とされています。そのため、この地域には仏教に関するスポットが数多くあり、悟りを開いたとされる菩提樹の分木スリーマハー菩提樹や、街のシンボル的存在ルワンウェリ・サーヤ大塔、色鮮やかに装飾された本堂に大きな涅槃像が安置されているエリア内最古の寺院イスルムニア精舎などが代表的な場所として知られています。
No.04 ポロンナルワ
北中部州の西側に位置する、かつて仏教都市として繁栄したスリランカの古都ポロンナルワ。1982年に世界遺産登録されたポロンナルワ遺跡には、10mを超す巨大遺跡が多数存在しており見応え十分です。びっしりと積まれたレンガ壁の高さに圧倒されるパラークラマ・バーフ1世の宮殿跡、高さ33m・直径170mにおよぶ巨大な仏塔ランコトゥ・ヴィハーラ、なかでも仏教美術の傑作と称されるのが、ガル・ヴィハーラにある巨岩に刻まれた三体の仏像です。穏やかな表情で瞑想する釈迦坐像、悟りを開いた釈迦立像、そして長さ約15mもある巨大な釈迦涅槃像が並んでいます。
No.05 ミンネリア国立公園
スリランカには20カ所を超える国立公園があり、数多くの野生動物が生息しています。そんな動物達を間近で見られる大迫力のサファリは人気のアクティビティのひとつです。そしてその中でも特に人気なのがゾウサファリ。シギリアロックからバスで1時間弱の場所にあるミンネリア国立公園、カウドゥッラ国立公園、エコパークの3カ所は、サファリのドライバーが当日一番ゾウが集まっている国立公園に案内してくれるので、野生のゾウに出会える確率が高いと評判です。ベストシーズンは乾季を迎える5~10月で、この時期にはゾウの大群に出会えることも。ゾウといえば鼻が長くて耳が大きいのが特徴ですが、スリランカゾウはアジアゾウの亜種で、アフリカゾウに比べると耳が小さいのがポイントです。開放感のあるオープンルーフカーで大自然を駆け抜け、動物園では見ることのできない野生のゾウの大群に会いに行ってみませんか。
No.06 キャンディ
山間に包まれた小さな街全体が世界遺産に登録されているキャンディ。仏教の聖地であるだけでなく、イギリスの植民地になるまでのシンハラ王朝最後の首都でもありました。特徴といえば、緑薫る穏やかな湖畔に植民地時代のクラシカルな街並みが美しく残っていること。マーケットでは、色とりどりの果物やスパイス、名産や衣類、アクセサリー、お土産などが揃っているので散策にぴったりの街といえるでしょう。また、アクロバティックなダンスと伝統衣装のコラボレーションが見ごとな伝統舞踊キャンディアンダンスや、年に一度夏に行われるペラヘラ祭りもおすすめです。
No.07 仏歯寺
仏歯寺はキャンディ湖のほとりに建つスリランカを代表する仏教寺院です。広大な敷地内には、ブッダの歯が祀られた本堂やシンハラ建築様式の美しい白亜の八角堂、ブッダの座像やゾウの剥製がある展示室など見どころが盛りだくさん。祭壇では、1日3回多くの仏教徒が熱心な祈りを捧げる厳粛な仏教儀式ブージャ(お祈り)が行われています。多くの参拝者が訪れ賑わっているスポットですが、スリランカの人々が大切に守り続けてきた仏教信仰をより深く肌で感じることができる場所です。
No.08 ピンナワラ ゾウの孤児院
スリランカにはその昔40000頭以上のゾウがいたそうですが、イギリスの植民地になって以降は数が減少し、1970年には2000頭にまで減ってしまいました。その後、政府は1975年に「ゾウの孤児院」を設立。ジャングルで親とはぐれたり死別した子ゾウや、ケガをしたゾウを保護・治療することを目的とした施設です。当初4~5頭しかいなかった同所には、現在100頭近くのゾウが暮らしています。一番の目玉である自然の川で行う水浴びでは、野生のような自然な姿を観察することができます。水浴びは10~12時、14~16時の2回行われるので、どちらかの時間に合わせて訪れるのがおすすめです。
No.09 スパイスガーデン
スパイスを知ることはスリランカを知ること、といっても過言ではないほどスリランカの生活と切っても切り離せないスパイス。そんなスパイスの産地ととして有名なマータレーの「スパイスガーデン」では、シナモン・ナツメグ・ターメリックなどポピュラーなものからスリランカ固有のものまで、スリランカ料理やアーユルヴェーダに欠かせない多種多様なスパイスやハーブが栽培されています。スタッフの説明に耳を傾けながら、まるで植物園のようなガーデン散策や自然のハーブを使ったマッサージ体験、スパイスティーの試飲にショッピングなど、特に女性にはお楽しみいただけるスポットとなっています。
No.10 ヌワラエリア
セイロンティーという紅茶の名前をご存じの方は多いのではないでしょうか。これは特定の銘柄を指す言葉ではなく、セイロン島(現在のスリランカ)で生産される紅茶のこと。島の名前がそのまま紅茶の名称として知られるほど、スリランカは紅茶の国なのです。標高約1800mの高原地帯にあるヌワラエリアは、セイロンティーの茶葉の一大産地。一面に広がる茶畑の中を縫うように走る列車の車窓はまさに絶景です。工場や茶畑を見学のほか優雅にアフタヌーンティを楽しむなど、ヌワラエリアではおしゃれなスリランカを堪能できます。
No.11 ナインアーチブリッジ
スリランカ鉄道のエッラ駅とデモダーラ駅の間にある、長さ約92m、高さ約25mのレンガ造りの鉄道アーチ橋「ナインアーチブリッジ」は、その名の通り、9つの弧を描く美しい橋で袂には茶畑が広がっています。線路は歩道としても使用されているので、橋の上を歩くことも可能ですし、アーチを真下から眺めると、その技術の高さに驚かされることでしょう。また、橋の絶景に加えて、目の前を列車が走り抜ける様子が楽しめるのも醍醐味です。遅延することも多々あるので、列車を撮影したい方はゆとりをもった行程で訪れることをおすすめします。
No.12 ヤーラ国立公園
スリランカの国立公園でも地域よってサファリシーズンは変わってきます。ヤーラ国立公園は1月~6月頃。スリランカヒョウやゾウ、ワニなどの大型動物の遭遇率はこのベストシーズンが高くなります。また、数多くの旅行者がヤーラ国立公園に集まる理由、それは希少な存在の固有種「スリランカヒョウ」に出会えるチャンスがあるためです。園内には約20~30頭が生息しており、その密集度の高さは世界でもトップクラスといわれています。遭遇ポイントとしては、夜行性なので開園とともにモーニングサファリに挑戦するのがおすすめです。
No.13 ゴール
スリランカ南部に位置するゴールは、西洋と東洋を結ぶ海のシルクロードの中継地点として繁栄した都市。インド洋に突き出た半島にある旧市街が砦で囲まれた、世界遺産の要塞都市です。ポルトガル・オランダ・イギリス統治時代の面影を残したコロニカル調な街並みで、灯台・時計台・教会・モスクなどさまざまな観光を楽しめます。また、砦の上は歩くことができ、海に沈む夕日を眺めることができるのもポイント。約1~2時間で歩ける小さなエリアにお洒落なカフェや雑貨店やフォトジェニックなスポットが存在するので、のんびり歩いての散策をおすすめします。
No.14 コロンボ
スリランカ旅行へ向かう際、ほとんどのフライトがコロンボから車で約1時間の場所にあるバンダラナイケ国際空港発着となります。スリランカ最大の都市であるコロンボの活気に満ちた中心部は、コロニアル様式の建物や史跡、モダンなショップや施設が混在する個性的な街並み。到着初日や最終日などの散策にもおすすめです。有名な寺院から小さな商店がたくさん林立するペター市場、夕陽を望むスポットとしても人気の海沿いにあるゴール フェイス グリーンなど自然を感じられる観光地まで見どころ満載です。
No.15 ガンガラーマ寺院
多くの仏教寺院があるコロンボの中で最も有名なのが、19世紀後半に建設されたガンガラーマ寺院。一般的なスリランカの寺院とは一線を画すユニークな寺院として、連日多くの観光客と現地参拝客で賑わっています。中には大きな仏像や彫刻がたくさん並べられていますが、スリランカだけでなく世界中のさまざまな仏像が奉納されているので、それぞれの特徴を考えながらまわるのも面白いかもしれません。また、寺院でありながらもクラシックカーや骨董・宝飾品なども展示されており、見ごたえ十分です。
No.16 シーマ・マラカヤ寺院
コロンボの中心に位置する、高層ビルに囲まれたシーマ・マラカヤ寺院。ベイラ湖に浮かぶその姿は非常に美しく、通りがかるだけでも目を引きます。もとは19世紀後半にガンガラーマ寺院の外部構造物として建てられましたが、老朽化によって1970年までにベイラ湖の底に沈んでしまいました。現在の建物は1976年にスリランカの国民的建築家ジェフリー・バワが設計し、祈りをささげる人々が暑さを気にせずゆっくりと過ごせるよう、荘厳な寺院建築の骨格は残しつつも風通しのよい、独特な造りの仏教寺院として生まれ変わりました。アヌラーダプラの古い僧院から着想を得たとされていますが、従来の仏教建築にとらわれない革新的なつくりとなっています。
No.17 ジャミ ウル アルファー モスク
ジャミ ウル アルファー モスクは、小さな商店や食堂、露店が軒を連ね、雑多な看板が目立つコロンボの下町ペター地区にあります。1908年に建てられたコロニアル様式とイスラム建築をミックスさせた面白い建物で、イスラム教のモスクではめずらしい赤と白の縞模様が、ほかの建物と比べてひときわ目立つ存在となっています。スリランカは仏教を信仰している人が多い国ではありますが、イスラム教徒やヒンドゥー教徒もいます。街のいたるところで宗教の共存を感じられるのも、実に興味深く魅力のひとつといえるでしょう。
No.18 ペラヘラ祭り
スリランカ各地で開かれるペラヘラ祭り。ペラヘラとは「パレード」という意味で、音楽隊やダンサー、ゾウなど、さまざまな行列が街を練り歩きます。なかでも有名なのがキャンディで夏の新月から満月の日の間に行われるキャンディ・エサラ・ペラヘラです。仏歯寺のブッダの歯を入れた仏塔を、美しい刺繍の布や電飾で飾ったゾウの上に乗せてパレードします。このペラヘラは10日間開催されますが、特に夜のパレードは大迫力!また、コロンボから12㎞離れたケラニヤ仏教寺院で行われる新春ペラヘラ祭りでは、伝統舞踊、太鼓・松明・旗を持った人々や、火渡りダンサーに扮した人々と共に、着飾ったゾウがパレードするのが特徴です。
No.19 ピドゥランガラロック
シギリアロックの北側わずか約3.5Kmの距離に位置するピドゥランガラロックは、シギリアロックのビュースポットであり、知る人ぞ知る隠れ絶景スポットです。5世紀、カーシャパ王がシギリアロックに要塞を作ろうとしたころ、その周辺にはいくつかの寺院があり僧たちが生活をしていました。遷都の際、カーシャパ王はより立派な寺や生活の場を新たに建設して、僧たちをシギリア周辺からピドゥランガラに移動させたそうです。そのためピドゥランガラロックの敷地内には今も寺院や涅槃仏が残っています。
No.20 アダムスピーク(スリー・パーダ)
アダムスピークはスリランカ南部に位置する標高2238mの山で、仏教・イスラム教・キリスト教・ヒンドゥー教の4つの宗教の聖地とされる神聖な山です。頂上付近にある大きな岩が足跡のような形をしていることから、別名スリー・パーダ( 聖なる足跡)と呼ばれており、仏教ではブッダ、イスラム教ではアダムとイブのアダム、キリスト教では聖トーマス、ヒンドゥー教ではシヴァ神の足跡と見立てられています。また、ブッダが実際に登ったことのある山ということもあり、ブッダと同じ道を歩こうと毎年多くの信者が巡礼に訪れています。
まだまだ日本人にとっては未知の国ですが、実際に行ってみると虜になってしまう人が続出しているというスリランカ。手つかずの雄大な大自然やその中で生きる動物たち、歴史ある古都や世界遺産、独自の文化や料理など魅力満載です。旅行費用も比較的お安めなので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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