ここ10年で観光客の数がアジアの中で最も増えている国・カンボジア。アンコール・ワットに代表される遺跡群も魅力。アジアントロピカルな雰囲気もありつつ、どこか神秘的で背筋が伸びる空気も感じられます。
No.01 アンコール・ワット
「アンコール・ワット」はカンボジア北西部にあり、3つの回廊と5基の塔からなる寺院です。左右対称の巨大な寺院はクメール建築の最高傑作とされ、1992年に世界遺産に登録されています。壁面には古代インドの戦いを描いた「マハーバーラタ」、ヒンドゥー教における天地創造神話「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」等の彫刻が施され、1体ごとにデザインが異なる女神像も見られます。第1回廊と第2回廊の間にある「十字回廊」には、胸をたたくと音が響く「エコーの間」があります。観光の際、肌の露出が高い服装では入場券が発行されないため、肩や膝が隠れる服を用意しましょう。
No.02 シェムリアップ
「シェムリアップ」はカンボジア北西部の都市。シェムリアップ空港から車で20分でアクセスできます。中心部にはホテルや市場が数多くあり、アンコール・ワットやトンレサップ湖などの観光拠点として栄えています。シェムリアップ川沿いにある「オールドマーケット」は、お土産や食品が充実しており、日本人が経営する「カンボジア・ティー・タイム」では伝統菓子「ノムトンムーンチョコレート」を購入できます。アンコール・ワット観光の宿泊は、車で10分の場所にある「グランド ヴィーナス ラ レジデンス」がおすすめです。
No.03 トンレサップ湖
「トンレサップ湖」は東南アジア最大の湖。湖上には5~8mの水深に耐える高床式の建物が見られます。シェリムアップ市街地から車で約30分の「チョンクニア」と、約50分の「コンポン・プルック」等の村でクルーズ観光ができます。どちらも30ドル程度で所要時間は1時間半、湖上の建物群や現地の人々の暮らしを伺えます。チョンクニアでは水面に沈む夕日を眺められ、コンポン・プルックではマングローブ林を進むコースもあります。湖には300種類以上の淡水魚が生息しており、ツアーによっては釣りを楽しめます。
No.04 アンコール・トム
「アンコール・トム」はアンコール・ワットの北に位置する石造りの城塞都市。堀に囲まれており、東西南北にある5つの橋から入れます。中心部にある「バイヨン寺院」は大乗仏教とヒンドゥー教の建築方が入り混じっており、途中から石の積み方や材質が異なっています。壁面には、1170年代にトンレサップ湖上で起きた戦争の場面や当時の市場の様子が精密な彫刻によって記録されています。敷地内に観音菩薩の顔を型どった「クメールの微笑み」が4面に彫られた大きな塔が50個以上あり、撮影スポットとして人気です。
No.05 タ・プローム
「タ・プローム」は「アンコール・ワット」から北東に約6kmの場所にある寺院です。樹齢300年の樹木によって押しつぶされるように浸食されており、自然の生命力を感じられます。映画「トゥーム・レイダー」のロケ地になったほか、木の根が張りめぐらされ苔むした遺跡は、日本の有名アニメ映画の舞台をほうふつさせます。シェムリアップ中心部にある「タ・プロームホテル」では、木をふんだんに使った暖かみのある内装と、屋内プールやスパで旅の疲れを癒せます。周辺の繁華街では夜遅くまで食事や買い物を楽しめます。
No.06 ロリュオス遺跡群
「ロリュオス遺跡群」は、「アンコール・ワット」よりも前の時代に開かれた都の一帯に残る、レンガ造りの寺院群。シェムリアップ市街地から車で25分の場所にあります。アンコール王朝最古の寺院「プリア・コー」、アンコール・ワットの元となった山岳型寺院の「バコン」、かつては貯水池の中央に位置し、治水をした「ロレイ」の3つの寺院を見学できます。狛犬の役割を持つ獅子「シンハー」や、神話の神「ナーガ」「聖牛ナンディン」の石像が各所にあり、豊かな自然の中、歴史ロマンに浸れます。観光の所要時間は1時間半~2時間です。
No.07 プノンペン
「プノンペン」はカンボジアの南に位置する首都。街並みにはフランス統治の影響が残っており「東洋のパリ」と称されています。東のトンレサップ川沿いには見学可能な王宮、仏教寺院「シルバーパゴダ」「ワットプノン」、1953年に建造された独立記念塔、地元住民や観光客でにぎわう「セントラルマーケット」等の観光スポットがたくさんあります。王宮の真後ろにあるホテル「ザ プランテーション アーバンリゾート&スパ」は、カンボジアをはじめとした世界各地の料理をいただけるレストラン、疲れを癒せる屋内プールやスパ等の設備が充実しています。
No.08 ウドンの仏教遺跡群
「ウドンの仏教遺跡群」は首都プノンペンから車で1時間半、ウドン市の丘の上にあります。金色に塗装された約9mの巨大な仏陀像がある寺院「18腕尺の仏陀のビハーラ」や、緑色の陶器片で花のような装飾が施されたアンドゥオン王の仏塔など、ウドンに都を築き、拠点とした歴代の王の仏塔や寺院があります。2002年に建てられた「ウドンの塔」からはウドンの平原を一望できます。約500段の階段が設けられたなだらかな丘を上り下りする観光コースになっており、所要時間は2時間。プノンペンからの日帰り観光も可能です。
No.09 プレアヴィヒア寺院
「プレアヴィヒア寺院」はカンボジアとタイの国境に広がる標高625mのダンレク山地にあります。高低差120m、長さ800mの参道、形の異なる5つの門、ヒンドゥー教の神「ヴィシュヌ」を祀る中央のお堂からなり、建物の随所に「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」「ラーマーヤナ」等の神々が彫刻されています。寺院の後ろは断崖絶壁で、絶好の撮影ポイントとなっています。カンボジアの大地を一望できることから、「天空の寺院」「アジアのマチュピチュ」とも呼ばれています。観光の所要時間は約1時間です。
No.10 プーンタノン
「プーンタノン」はシェムリアップ市街地から車で1時間半北上した丘の上にある岩石群です。「ゴールデンロック」のように絶妙なバランスで保たれた岩や、様々な形に積み上げられた岩の数々から「カンボジアのカッパドキア」と称されています。一部の岩には仏陀が彫られており、現在も祈りの場として使われています。一帯は国立公園のため、花が植えられている場所もありますが、周辺の道路は舗装されていないため、動きやすい服装と水を多めに用意しましょう。
No.11 プノンペン国立博物館
「プノンペン国立博物館」は首都プノンペンの王宮のすぐ北にある歴史博物館です。クメール王朝の建築様式を模した、赤が印象的な建物。1920年に開館し、「ロリュオス遺跡群」「アンコール遺跡群」を築いた6世紀~15世紀の出土品を、仏像を中心に5,000点以上展示しています。高さが1mを超える「横たわるヴィシャヌ神」等のヒンドゥー教における神や歴代の王の像や彫刻、実際に叩けるカンボジアの楽器、青銅器や漆器等、見どころがたくさんあります。緑あふれる中庭の池で、コイやカメに餌やりもできます。観光の所要時間は約1時間です。
No.12 独立記念塔
高さ20m、赤褐色の「独立記念塔」は、首都プノンペン中心部にあり、フランスからの独立を記念して1958年に建造されました。「アンコール・ワット」と同じ山岳型の建造物は、清らかさや悟りの象徴とされる蓮の花がモデルになっています。周囲は緑豊かな公園で、のんびりとくつろげます。夜になるとライトアップされるほか、独立記念日の11月9日にはセレモニーが開催され、国王や首相がパレードを行います。徒歩30分圏内には王宮や「シルバーパゴダ」寺院、「セントラルマーケット」等の有名観光スポットがあります。
No.13 ワット ボトム パーク
「ワット ボトム パーク」は首都プノンペンの中心部、王宮から徒歩5分の場所にある公園です。南北は500mあり、北部には黄金に塗られた鳥の像、中央には1979年にベトナムとの友好の証として建造された記念碑があります。園内には緑があふれ、のんびりと散策したりピクニックを楽しめます。観光の疲れを癒すにはおすすめのスポットです。公園の一角には金色に塗装された「ワット・ボトム寺院」があります。地元住民が祈りをささげる由緒正しい寺院で、こちらも落ち着いて観光できます。
No.14 ワット・プノン
「ワット・プノン」は、首都プノンペンの王宮から徒歩25分の場所にある寺院です。クメール王朝時代に4体の仏像を祀り建立したのが始まりと言われています。本堂へ続く階段には、兵士や守り神の獅子「シンハー」、神話の蛇「ナーガ」の彫刻があります。本堂には黄金の仏像が置かれ、仏教説話の絵画が壁や天井に描かれています。境内にはほかにも、寺院を創建したペン夫人のほこら、芝生を利用した大きな時計、本堂よりも高くそびえ立つ仏塔があります。寺院の入場料は1ドル。1時間半ほどで見学できます。
No.15 カンボジア王宮
首都プノンペンの川沿いに、カンボジア国王の住まい「王宮」があります。1870年に木造で建てられた「即位殿」は、フランス植民地時代の1919年に再建設され、黄金の瓦屋根とレンガ造りの建物になりました。手入れされた低木や花々が咲く広大な庭をゆっくりと散策できます。観光の所要時間は1~2時間。肩や膝が見える服装や着帽、大きなバックパックを持っていると入場できないため、注意しましょう。
世界遺産のアンコール・ワットをはじめとした、遺跡や大自然が数多く残るカンボジアをご紹介しました。近年、日本からプノンペンやシェムリアップへの直行便が運行開始され、6時間ほどでアクセスできます。短いお休みの小旅行にも、滞在して遺跡群をめぐるのもおすすめです。
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