熊野古道は全長約1000km、そのうちの約200kmが2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。京都・吉野・高野山・伊勢の各地から、熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の熊野三山に向かう参詣道「熊野古道」は、大きく分けて6本の道に別れています。今回はそのなかでも代表的な「中辺路」「大辺路」「小辺路」「伊勢路」を中心に周辺のみどころを紹介します。
熊野古道とは
紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)と、京都・吉野・高野山・伊勢とを結ぶ古い街道の総称。雄大な自然と歴史的な寺社が点在し、古来より熊野三山への参詣に利用され、多くの人々の祈りと修行の場としての役割を果たしてきました。
No.01 熊野本宮大社(熊野三山)
全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮「熊野三山」のなかでもとりわけ古式ゆかしい雰囲気を漂わせる「熊野本宮大社」。熊野川の中枢に鎮座し、社殿へと続く参道は杉や檜が立ち並び、深い緑に包まれた美しい風景が広がります。御祭神は熊野三山に共通する「熊野十二所権現」と呼ばれる十二柱の神々で、主祭神の家津美御子大神(すさのおのみこと)は自身の御毛を抜いて木を育成させた神話から「木の神」と崇められています。
基本情報
■所在地
〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮1110
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/Lzy2irtynsR8NcaF7
■アクセス
JR新宮駅から熊野交通または奈良交通で約60分、「本宮大社前」下車
■駐車場
あり
■電話番号
0735-42-0009
No.02 熊野速玉大社(熊野三山)
熊野川河口に鎮座する熊野三山のひとつ「熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)」は、水の動きを神格化したとされる熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の夫婦神を主祭神とし、十二柱の神々が祀られています。別名❝新宮(にいみや)❞とも呼ばれ、その元宮となる神倉神社は熊野三山に祀られる熊野権現が降臨した聖地といわれ、大社境内にそびえる国指定の天然記念物「ナギの大樹」は熊野権現の象徴、平重盛公が植えたと伝わっています。また、大社敷地内にある神宝館には1200点にものぼる国宝が保管展示されています。
基本情報
■所在地
〒647-0081 和歌山県新宮市新宮1番地
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/HLknUAtBqshdCtr3A
■アクセス
JR新宮駅より徒歩15分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-22-2533
No.03 熊野那智大社(熊野三山)
那智山の中腹に鎮座する熊野三山のひとつとして熊野十二所権現が祀られている「熊野那智大社」は、那智大滝(那智の滝)に対する原始の自然崇拝を起源とする神社。主祭神は、万物の生成・育成を司る熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)で、結宮(むすびのみや)として崇められています。また、境内には神武天皇を大和(現在の奈良県)に導いた三本足の烏 「八咫烏(やたがらす)」が大任を終えて石になったといわれる「烏石」や樹齢約850年の大楠が茂り、大楠の根元の空洞は無病息災を願って「胎内くぐり」をする事ができます。
基本情報
■所在地
〒649-5301 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/CXd4JbyHpP9tBDydA
■アクセス
JR紀伊勝浦駅よりバスで約30分、「那智山」下車徒歩約15分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-55-0321
No.04 那智の滝
那智山の奥、大雲取山から流れ出る本流にいくつもの流れが重なり合った落差約133m、銚子口の幅約13m、滝壺の水深約10mにおよぶ日本有数の大滝「那智の滝」。「一の滝」あるいは3つの落口から流れ落ちることから「三筋の滝」とも呼ばれ、滝壺には不老不死の仙薬が沈められているとされることから、那智の滝の水は延命長寿の水としても有名です。その上流にある那智の滝を含めた「那智四十八滝」と呼ばれる多くの滝は修験道の行場になっており、古来熊野の自然信仰の在り方を今に伝えています。
基本情報
■所在地
〒649-5301 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/cSGWN65MZR7zdvcG7
■アクセス
JR紀伊勝浦駅よりバスで約30分、「那智の滝前」下車徒歩約5分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-55-0321(熊野那智大社)
No.05 那智山青岸渡寺
西国三十三所観音霊場の第一番札所である「那智山青岸渡寺(なちさんせいがんとじ)」。御本尊は如意輪観世音菩薩(にょいりんかんせおんぼさつ)で、本堂後方に建つ那智の滝との調和が美しい朱色の三重塔は広く知られています。現在の本堂は、1590(天正18)年に豊臣秀吉が再建したもので、本堂内にある鰐口(わにぐち)は秀吉が寄進。秀吉の願文が刻まれています。明治の神仏分離まで隣接する熊野那智大社と一体をなし、那智の滝を中心とした神仏習合の名残を感じることができます。
基本情報
■所在地
〒649-5301 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/ByB1cK6ouJKbPGNq5
■アクセス
JR紀伊勝浦駅よりバスで約30分、「那智山」下車徒歩約15分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-55-0001
No.06 中辺路
いくつかのルートがある熊野古道のうち、これまでに多くの旅人が歩いたとされる人気のルートが和歌山県西海岸の紀伊田辺から東の山岳部へと分け入り、熊熊野本宮大社に向かう「中辺路(なかへち)」。熊野古道のゴールデンルートとも呼ばれており、熊野神の御子神を祀った「王子」やその遺跡が点在するのが特徴です。特に平安時代から鎌倉時代に皇族貴族が延べ100回以上も繰り返した「熊野御幸」では、中辺路が公式参詣道(御幸道)となり、後鳥羽院や藤原定家、和泉式部なども歩いたとされています。
基本情報
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/vYdrzVBzp81bmjyB8
■電話番号
0739-64-1470(熊野古道館)
No.07 大門坂
多くの参詣者たちを受け入れてきた熊野古道の中でも、当時の面影を特に色濃く美しく残している場所が「大門坂」。全長約500m、高低差約100mの苔むした石畳道や樹齢800年を越す老杉等に囲まれた古道では、夫婦杉、関所跡や俗界と聖域とを振り分ける境の橋といわれた振ヶ瀬橋(ふりがせばし)などが次々と姿を見せ、往古の熊野詣が偲ばれます。
基本情報
■所在地
〒649-5301 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/bHgxszjZWYyYZS667
■アクセス
JR紀伊勝浦駅より那智山行きバス約20分、「大門坂」下車
■駐車場
あり
■電話番号
0735-52-0555(那智勝浦町観光産業課)
No.08 滝尻王子
九十九王子(くじゅうくおうじ)とは、熊野詣の先達を務めた修験者により12~13世紀にかけて組織された一郡の神社。本来、熊野古道の近隣住民が在地の神を祀っていた諸社を「王子」と認定し、熊野詣の途中で儀礼を行う場所としました。熊野古道沿いの王子は100カ所以上といわれており、数多を意味する九十九をつけて「九十九王子」と呼ばれています。「滝尻王子」は九十九王子の中でも特に格式高い「五体王子」のひとつ。後鳥羽上皇の一行もこの社前で御歌会を催されたと伝えられ、杉木立に囲まれた小さな社殿に往時の姿が偲ばれます。
基本情報
■所在地
〒646-1421 和歌山県田辺市中辺路町栗栖川859
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/BSspYHyrJj6hPyPJ6
■アクセス
JR紀伊田辺駅より龍神バス栗栖川・熊野本宮行きで約40分、「滝尻」下車徒歩3分
■駐車場
あり
■電話番号
0739-26-9909(南方熊楠顕彰館)
No.09 牛馬童子像
頭巾をかぶった修験者が牛と馬にまたがっている「牛馬童子像(ぎゅうばどうじぞう)」は、平安時代の花山法皇の旅姿を偲んで彫られた石仏(明治時代に制作)。高さは約50cmと小さくてかわいらしく、今では中辺路のシンボル的存在となっています。984(永観2)年、17歳で即位した花山天皇は、藤原氏の策略でわずか2年で退位し、元慶寺で出家して花山法皇となりました。そして呆然とした心境のまま都を離れ熊野御幸に旅立ちます。伝説では、花山法皇がここで休憩した際、弁当に箸が入っていなかったため、従者が機転を利かせて付近の萱の茎を折って箸として渡したことから、この地が箸折峠と呼ばれるようになったといわれています。
基本情報
■住所
〒646-1402 和歌山県田辺市中辺路町近露1940
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/RSDgmRDof2A7fTHk8
■アクセス
JR紀伊田辺駅から龍神バスで約50分、「牛馬童子口」下車すぐ
■駐車場
あり(道の駅 熊野古道中辺路 牛馬童子ふれあいパーキング)
■電話番号
073-422-4631(和歌山県観光連盟)
No.10 発心門王子
九十九王子の中でも重要な王子とされている五体王子のひとつ「発心門王子」。「発心門」とは、仏の道に帰依する心を発する入り口(門) という意味で、ここからが熊野本宮大社の神域とされていました。中辺路全体の踏破は容易でないものの、終盤の発心門王子から熊野本宮大社を目指すコースなら緩やかな下りが中心で、歩くのが苦手な方や山歩きの初心者でも無理がなくおすすめ。休憩所なども整備され、石畳の残る古道や棚田や茶畑が美しい集落の中の道など、雰囲気が良いのも特徴です。
基本情報
■所在地
〒647-1744 和歌山県田辺市本宮町三越
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/pFAVTUanj8Mc639S8
■アクセス
JR紀伊田辺駅より発心門王子行きバスで約2時間30分、終点「発心門王子」下車徒歩約5分
■駐車場
なし
■電話番号
0735-42-0735 (熊野本宮観光協会)
No.11 大斎原
「大斎原(おおゆのはら)」は、1889(明治22)年の大洪水まで熊野本宮大社のあった旧社地。 熊野本宮大社はかつて、熊野川・音無川・岩田川の合流点にあるこの大斎原と呼ばれる中洲にありました。当時は、約1万1千坪の境内に五棟十二社の社殿、楼門、神楽殿や能舞台など、現在の数倍の規模だったとか。神が舞い降りたというこの地は、近年ではパワースポットとして人気を集めています。高さ約34m、幅約42mを誇る大鳥居はその大きさにまず驚くことでしょう。また、桜の名所としても知られ、大鳥居と桜のコラボレーションは見事。春の季節に訪れるのもおすすめです。
基本情報
■所在地
〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮1
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/JixwGyRQSG9QmHih6
■アクセス
JR新宮駅よりバスで約1時間、「大斎原」下車すぐ
JR紀伊田辺駅よりバスで約2時間、「大斎原」下車すぐ
※熊野本宮大社より徒歩約10分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-42-0009 (熊野本宮大社)
No.12 大辺路
田辺市から白浜町内の富田を経て日置地区三ヶ川に至り、安居で日置川を渡り、すさみ町・串本町を経て那智勝浦町で中辺路街道と合流する、海岸線を通る熊野古道「大辺路(おおへち)」。本来の姿が良好に保たれている範囲は限られますが、海と山の織りなす美しい景観に恵まれています。熊野参詣のルートとしては中辺路が多用されたため、大辺路は時間に余裕のある庶民や文人墨客が枯木灘や熊野灘の風景を愛でながら歩いた道だったようです。
基本情報
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/vYdrzVBzp81bmjyB8
■電話番号
0739-64-1470(熊野古道館)
No.13 小辺路
「小辺路(こへち)」は、高野山大門の南側から高野山大学の裏手に続いている高野山のかつての外周道(結界道)、いわゆる女人道の終点であるろくろ峠を起点として、高野山と熊野本宮を最短距離で結ぶ約70kmの街道。途中、水ヶ峰、伯母子岳、三浦峠、果無峠と1000m級の山越えがあり、2大聖地を結ぶ最短ルートですがかなり険しい山岳道です。反面、標高の高い山越えルートなので展望スポットが多いのもポイント。一度に歩く場合は最低3泊4日は必要ですが、それだけに歩き通せたあとの達成感はひとしおでしょう。
基本情報
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/pwRnJuq4R8Pg5EKH7
■電話番号
0746-62-0004(十津川村役場企画観光課)
No.14 伊勢路
紀伊半島東部を南下する「伊勢路(いせじ)」は、伊勢神宮と熊野三山を結び、「伊勢へ七度、熊野へ三度」と呼ばれた信仰の路。古の旅人たちが❝よみがえり❞を求めて歩いた祈りの道です。江戸時代から、お伊勢参りの後に伊勢路を通って熊野詣が行われてきました。熊野古道らしい石畳や竹林はもちろんのこと、峠から熊野灘を一望できるコースや、日本屈指の棚田を望むコース、熊野川の参詣道など、多彩な風景を楽しめるのが特徴で、歩きながら美しい景色が味わえるいくつものコースが整備されています。
基本情報
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/krJmVVyfGWtVX1zx7
■電話番号
059-224-2193(三重県南部地域振興局 東紀州振興課)
No.15 松本峠
大泊町と木本町をつなぐ「松本峠」は、孟宗竹が茂る風情のある峠。伊勢路の中でも比較的距離が短く標高約135mと低めなので、山登り初心者や小学生など小さいお子様連れでも安心して登れる峠です。登り口で杖を借りられ降りたところで返却できるサービスも。峠には穏やかでやさしい顔をしたお地蔵さんが立っています。江戸時代のはじめのころに鉄砲撃ちの名手によって誤ってつけられたとされる鉄砲傷は、今もお地藏さんの足元に残っています。また、松本峠の東屋から見る七里御浜は、伊勢路屈指の絶景として見る者を感動させます。
基本情報
■所在地
〒519-4394 三重県熊野市木本町
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/gAhv2GcnuYiqdLAK8
■アクセス
JR大泊駅から徒歩約40分
■駐車場
あり(駅から徒歩約15分)
■電話番号
0597-89-0100(熊野市観光協会)
No.16 花の窟(はなのいわや)・花の窟神社
花の窟は、神々の母である伊弉冊尊(イザナミノミコト)が軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵です。花の窟神社は日本最古の歴史書といわれる日本書紀にも記されており、日本最古の神社と伝えられています。古来社殿がなく、熊野灘に面した高さ約45mもの巨大な磐座を御神体とし、参拝者がご神体に直接触れることができるめずらしい神社です。また、毎年2月2日と10月2日には例大祭が執り行われ、それぞれの神様を表す7本の綱をより合わせた170mの大綱を、ご神体の上から境内南隅に掛ける壮大なお綱掛け神事は、三重県の無形民俗文化財に指定されています。
基本情報
■所在地
〒519-4325 三重県熊野市有馬町130
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/K3q1yyvssoTdoqxg8
■アクセス
JR熊野市駅よりバスで約5分、「花の窟」下車
■駐車場
あり
■電話番号
0597-89-0100(熊野市観光協会)
No.17 獅子巖(獅子岩)
巨大な獅子が海に向かって咆哮するような姿をした七里御浜に鎮座する「獅子巖(ししいわ)」は、海岸の隆起と海蝕現象によってうまれた奇岩で、高さ約25m、周囲が約210mの巨岩。昔から南側に位置する神仙洞(しんせんどう)の吽(うん)の岩(雌岩)に対して阿(あ)の岩(雄岩)といわれ、近くを流れる井戸川の上流にある大馬神社の狛犬にたとえられています。またこの獅子は、限られた季節に絶景を見られるチャンスがあるそうで、5月中旬~約1カ月の早朝には朝日を咥え、11月〜12月の夕刻には月を咥えます。ちょうど獅子の口にあたる部分に太陽や月がはまるのだとか。満月を狙って訪れるのもよいかもしれません。
基本情報
■所在地
〒519-4324 三重県熊野市井戸町
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/rfZEvYm8xpydPucV7
■アクセス
JR熊野市駅から徒歩約10分
■駐車場
あり
■電話番号
0597-89-4111(熊野市観光スポーツ交流課)
No.18 吉野熊野国立公園 鬼ケ城
国の天然記念物および名勝「鬼ケ城」は、波の侵食と地震で隆起した凝灰岩の大岩壁。岩壁には約1㎞にわたって遊歩道が整備されており、大小無数の洞窟や奇岩奇勝を楽しむことができます。鬼ケ城の頂上には鬼ケ城本城と呼ばれた城跡があり、そこへ向かう上り坂は4種類約2000本の桜が植えられた「桜の道」となっているので春の時期もおすすめ。城跡先端にある「鬼の見晴台」からは熊野灘が一望できるほか、城跡から熊野古道へとつながり、松本峠へは約30分ほどで到着します。山と海、一度に堪能できる見どころの多いスポットとなっています。
基本情報
■所在地
〒519-4323 三重県熊野市木本町1835-7
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/Xj6n1f3sQR6vmGf26
■アクセス
JR紀熊野市駅より大又大久保行きバス約5分、「鬼ヶ城東口」下車すぐ
■駐車場
あり
■電話番号
0597-89-1502(鬼ヶ城センター)
No.19 丸山千枚田
熊野古道伊勢路の風伝峠を下りたのち、本宮へ向かう本宮道と分かれて吉野方面へ向かう北山道は、世界遺産登録の対象ではありませんが古くから生活道として使われてきた道。「丸山千枚田(まるやませんまいだ)」の中の道を歩きながら、里山の暮らしが息づく風景を堪能できます。日本の棚田百選(農林水産省選定)にも選ばれた丸山千枚田。田植え前の水田に青い空や雲、夕景を映す様子が郷愁を誘う春、虫おくりの松明が幻想的な夏、黄金の稲穂が風に揺れる秋、石段の美しさが際立つ冬と、時間帯や四季を通じて様々な表情を見せ、美しく心を打つ景観が広がっています。
基本情報
■所在地
〒519-5405 三重県熊野市紀和町丸山318
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/oMvWP5J2tNE3RvFh8
■アクセス
JR熊野市駅から車で約30分
JR熊野市駅前から熊野古道瀞流荘線(瀞流荘方面)バス乗車、「千枚田・通り峠入口」下車徒歩約30分
■駐車場
あり
■電話番号
0597-97-1113(熊野市地域振興課)
No.20 神倉神社・ゴトビキ岩
「神倉神社」は、権現山の中腹に鎮座し熊野三山に祀られる熊野権現がはじめて地上に降臨した伝承をもつ古社です。天ノ磐盾(あまのいわたて)という険しい崖の上、500段以上の急峻な石段を登ったところにあるのがご神体の「ゴトビキ岩」。そこから眺める市街地と美しい熊野灘の眺めは絶景が広がるビュースポットとなっています。また、毎年2月6日に行われる、白装束に荒縄を締めた約2000人の上り子と呼ばれる男子が松明を持ちながら山頂から急峻な石段を駆け下りる奇祭「御燈祭り」の舞台でもあります。
基本情報
■所在地
〒647-0044 和歌山県新宮市神倉1-13-8
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/eZmtfkCdfPJ9Nkv4A
■アクセス
JR新宮駅から徒歩約15分
■駐車場
あり
■電話番号
0735-22-2533(熊野速玉大社)
No.21 語り部と歩く熊野古道
その土地に伝わる歴史や伝説、四季折々の自然や人々の暮らしを織り交ぜながら語り継いでくれる旅の案内人のことを「語り部」と呼びます。ただ歩くだけではもったいない! 熊野古道の魅力をより深堀するには、その地を知り尽くす語り部と一緒に歩くことをおすすめします。神々を生んだ自然が色濃く残り、浄土を求めて通った人々の道。一日として同じ表情をしない熊野古道を歩き、自然に触れること、また時には自然の怒りにふれながら旅をするのも楽しみのひとつです。しかし、古道沿いの王子、小さな草花、地蔵の物語、伝説のひとつひとつを解説付きでめぐると格段に満足度は上がります。語り部と歩きながら「熊野古道の歴史」「巡礼者や地域の人たちの生活」「自然の大切さ」などについて学んでみてはいかがでしょうか。
No.22 熊野古道に適した服装・装備
熊野古道はいずれのコースを歩くにもトレッキング用のスタイルでいくことをおすすめします。まずは夏であっても、長袖長ズボンが基本。足元はトレッキングシューズや履き慣れたハイキングシューズで、靴下は厚手で足首までしっかり覆うものを。インナーにはポリウレタン製など速乾性のあるものを着用して、汗をかいたときの替えを持参し、乾きにくい綿は避けた方が良いでしょう。帽子は日よけや頭部保護のため一面にツバのあるハットタイプを。秋冬には、防寒具も準備が必要です。装備としては雨具やタオル、虫除け、携行食、腕時計、手袋なども用意しておくとよいでしょう。荷物は両手が使え、肩や腰への負担が軽減されるリュックサック等にまとめましょう。
▼詳しくは当社装備・ハイキングレベルのご案内をご覧ください。
古の人が歩いた巡礼の路「熊野古道」。今回は代表的な4つのルートを中心にご紹介しましたが、雰囲気だけでも味わっていただけましたでしょうか。各ルートはどれも長く、険しい路も存在しますが、普段山歩きをされていない方でも歩きやすい入門コースもあります。まだ訪れたことのない方は、これを機会にぜひお出かけください。
-
掲載内容は記事公開時点のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。