鹿児島が誇る自然と歴史の観光スポット12選

鹿児島県の海沿いに位置する「指宿（いぶすき）温泉」は、世界的に珍しい天然の砂蒸し温泉です。砂蒸しとは、熱い砂を寝転がった体の上にかけて血行を促進させ老廃物を排出する、約300年前から行われてきた湯治のことです。砂蒸しでリフレッシュしてから、温泉でもう一度温まるのが定番の楽しみ方です。日帰り温泉「たまて箱温泉」の露天風呂は、温泉と海が繋がるような作りになっており、開放的な気分の中で体を癒せます。

錦江湾に浮かぶ周囲約52kmの桜島は、現在も小規模な噴火を繰り返す複合火山です。北岳の標高373mに位置する「湯之平展望所」は、一般人が入れる最高地点であり、荒々しい山肌を間近で見られます。訪れるなら夕暮れ時がおすすめ。夕日で赤く染まる桜島と、海の向こうに沈む夕日の美しさは必見です。「赤水展望広場」には、約50トンの桜島溶岩を使ったモニュメント「叫びの肖像」があり、撮影スポットとして人気です。

仙巌園（せんがんえん）は、1658年に薩摩藩主、島津光久によって築かれた別邸です。当主と跡継ぎしか通れなかったという格式高い「錫門(すずもん)」を抜けた先に「御殿」があります。ロシア皇帝やイギリス国王が訪れた「謁見の間」や、迫力ある桜島と1万5千坪の広大な庭園を一望できる居間等が見学可能で、藩主の暮らしぶりがうかがえます。園内の食事処「桜華亭」では、「さつまあげ」や「きびなごのお刺身」等の薩摩の郷土料理が楽しめます。

「知覧特攻平和会館」は、第二次世界大戦の沖縄戦で出撃した特攻隊の遺品や資料を展示している施設です。中央展示室には、戦死を前提に敵艦へ突撃して散っていった1,036人の隊員の遺影や、家族に宛てた手紙や遺書があります。若き隊員たちがどのように生き、死を受け入れたのかが、彼らの言葉で綴られています。見学の所要時間は約1時間ですが、戦争の凄惨さと命の尊さを感じながら、じっくり見て回るのがおすすめです。

約270年前に造られた武家屋敷が保存されている「知覧武家屋敷」。国の名勝に指定されている7つの庭園があり、最も豪華で広い敷地を持つ「佐多美舟庭園」では、積み重ねた石組みで滝を表現した「枯滝」と、石組みに植栽を施した「蓬莱山」の美しいコントラストが見られます。おすすめランチは、武家屋敷通りにある食事処「高城庵」。武家屋敷を改装した店内で「鶏のさしみ」等の薩摩郷土料理が味わえます。

霧島連山のふもとにある「霧島神宮」は、建国神話の主人公である瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）が祀られており、パワースポットとして有名です。境内から切り出した杉が使用されている社殿は、鮮やかな朱色と繊細な装飾が美しく、国の重要文化財に指定されています。授与所では、御祭神の神話を元にした「天孫降臨之地」の御朱印がいただけます。ランチには、食事処「神宮前茶屋」がおすすめ。柔らかくジューシーな黒豚を使った「カツ丼」は絶品です。

指宿市にある「池田湖」は、約5700年前の火山活動によってできた九州最大のカルデラ湖です。開聞岳を臨みながら、モーターボートやSUP（スタンドアップパドルサーフィン）等のアクティビティを楽しめます。体長1.8mにも及ぶ「大うなぎ」が数多く生息していることでも知られており、湖畔のレストラン「池田湖パラダイス」では、うなぎの蒲焼に「砂蒸し風呂」の源泉で作った温泉卵がトッピングされた「イッシー丼」が味わえます。

1993年に世界自然遺産に登録された屋久島で、最大の巨木として君臨する「縄文杉」。高さ約25m、周囲は16.4mという圧倒的な存在感を放ち、樹齢は4000年とも言われています。表面には激しい凹凸があり、屋久島の厳しい自然を生き抜いてきた証が刻まれています。「縄文杉登山コース」のトレッキングは、往復約22kmを約10時間かけて歩く必要がありますが、一生忘れられない体験ができること間違いなしです。

滝幅210m、高さ12mの壮大なスケールを誇る「曽木の滝」は、伊佐市の「曾木の滝公園」にあります。千畳岩の岩肌を削るように流れ落ちる水流と轟音は豪快で、「東洋のナイアガラ」とも呼ばれています。春には桜やツツジが滝に彩りを添え、秋にはモミジやイチョウが川の流れに鮮やかに浮かび上がります。毎年11月には「もみじ祭り」が開催されており、紅葉のライトアップや屋台、地元高校生によるステージショーが楽しめます。

沖縄と九州の中心に位置する奄美大島は、温暖な気候と手つかずの自然が魅力の島です。日本で第2位の広さを誇るマングローブ原生林の中、カヌー体験ができる「マングローブパーク」や、海水プールでのシュノーケリングが楽しめる「あやまる岬観光公園」等があり、自然の美しさを堪能できます。遊び疲れたら、全室オーシャンビューのホテル「THE SCENE」で、水平線に沈む夕日を眺めるロマンチックな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

屋久島の白谷川上流にある「白谷雲水峡」は、樹齢1,000年を超える屋久杉をはじめ、原生的な森を気軽に観賞できる自然休養林です。往復約3.5kmのトレッキングコースを約3時間で散策でき、体力に自信がない方でも安心です。見どころは、「苔（こけ）むす森」と呼ばれる一面に広がる青々とした苔です。日本の有名アニメ映画で登場する森のモデルになったことでも知られており、樹木や岩、土が苔に覆われた緑色の幻想的な世界が広がります。

種子島東南端の海岸線に面している「種子島宇宙センター」は、日本の宇宙開発における人工衛星打ち上げの中心地です。東京ドーム約200個分の広大な敷地には、ロケットや人工衛星等を模型やゲームを用いて楽しく学べる「宇宙科学技術館」があります。また、事前予約すれば宇宙センター内をバスでめぐる「施設案内ツアー」に参加でき、実物のロケットや打ち上げ時に指令管制を行う「総合指令塔」等の普段は入れない施設を見学できます。