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気ままな観光にも便利な市民の足「熊本市電」
熊本市民にとって通勤・通学や買い物などに欠かせない移動手段、熊本市電。その歴史は古く、1924(大正13)年に運行が始まりました。熊本は、その土地の特徴を表す地名が多く、市電に乗り降りする停留所(電停)の名前も、歴史を背景に名付けられたものが多いようです。
JR熊本駅、熊本城、水前寺成趣園など、主要な観光施設への交通手段としてもとても便利で、車両は昔懐かしいレトロなものから新型の低床車両までバラエティ豊か。なかでも2014年に導入された新型超低床車両「COCORO」は、九州新幹線「つばめ」や「ななつ星in九州」の生みの親として知られる水戸岡鋭治氏デザインで、全国の鉄道ファンの注目も集めています。
運賃は市内均一(中学生以上170円、小学生以下90円/2020年7月現在)なので分かりやすく、SuicaやPasmoをはじめとする全国の交通系ICカードも利用できます。途中下車して観光するなら、市電専用の1日乗車券(中学生以上500円、小学生以下250円)がとても便利。熊本駅総合観光案内所で販売されているほか、車内でも販売されているので車掌さんに声をかけてみてくださいね。
熊本を代表する郷土料理のひとつ「一文字ぐるぐる」
「一文字(ひともじ)」とはワケギに似た野菜で、熊本の郷土料理になくてはならない食材のひとつ。ワケギに比べて全体に少し太めで、やわらかく甘みがあるのが特徴です。その名の由来は、生えている姿が「人」の文字に似ていたから、ネギが「葱(き)」と一文字で呼ばれていたから――など、諸説あるといいます。
この「一文字」を軽く茹でてから冷水にとり、よく絞ってから青い葉の部分を白根に「ぐるぐる」と巻き付け、酢みそをかけていただくのがこの料理。なんともユニークな名前ですね。
この料理、一見すると「ワケギのぬた和え」と同じだと思われる方も多いでしょう。いえいえ、「一文字ぐるぐる」にはこだわりの調理ポイントがあるのです。
それは酢みそを上からかけること。和えると水気が出やすくなりますが、上からかけることでそれを防ぎ、「一文字」の食感をより楽しむことができるのだとか。
葉を巻きつけることで生まれる歯ごたえ、食材の持つ独特の香りとやわらかな甘み、そして風味をさわやかに引き立てる酢みその味。
熊本を訪ねたら、ぜひ味わいたい味覚のひとつが「一文字ぐるぐる」です。