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薬が生んだ? 富山のガラス工芸
時は江戸時代、富山藩は財政難で苦しんでいました。藩は製薬を奨励し、二代目藩主・前田正甫らにより合薬「反魂丹」を開発するなど、売薬業を発展させていきました。江戸城で腹痛を起こした他藩の藩主に反魂丹を服用させたところ、みるみるうちに回復したという逸話が残っており、諸国の大名も喉から手が出るほど欲しがったとか。現在も反魂丹の製造を続けている池田屋安兵衛商店では、無料で昔ながらの丸薬製造体験ができます。しかし、意外にも薬を丸めるのは難しいんです!池田屋安兵衛商店に立ち寄ったら、ぜひトライしてみてください。さて、反魂丹などから発展した富山の売薬業に関連して、明治・大正時代にはガラスの薬びん生産も盛んになり、富山は全国有数の「ガラスのまち」に。JR富山駅や「富山市ガラス美術館」など、富山にはガラスを使った美しい建築が点在しています。特に、富山の玄関口であるJR富山駅には、工芸ガラスが埋め込まれた「トランジット・ライティング・ウォール」や床に埋め込まれたガラスブロックなどが華やかに光りながら観光客をお出迎え。ガラスに注目してまちあるきをしてみると、より一層富山を楽しめますよ!!
他県とは一味違う!かわいいかまぼこin富山
おいしい魚介類が獲れる富山では、独自のかまぼこ文化が発展してきました。全国的には板がついた半月形のかまぼこが主流ですが、富山のかまぼこには板がありません。富山のスタンダードは、昆布を巻いてつくる「巻きかまぼこ」なのです。江戸時代ごろ、北海道から大阪をつなぐ交易船「北前船」の寄港地だった富山。北海道から運ばれてきた昆布と富山湾で獲れる白身魚を合体させて作ったかまぼこが「巻きかまぼこ」のはじまりだといわれています。そんな富山のかまぼこ文化ですが、まだまだ進化中!近年では、すり身を鮮やかに色づけした巻きかまぼこが販売されています。食卓に彩りを添えてくれるほか、お弁当に入れても喜ばれますよ。巻きかまぼこのほかに、富山には「細工かまぼこ」の文化があります。色を付けたすり身を鯛や松など縁起のいいモチーフに成形したもので、結婚式の引き出物などに用いられています。当初は祝いの席のタイミングに鯛が獲れなかった際の代用品でしたが、次第に引き出物の定番品に。県内のかまぼこ工場では、細工かまぼこの制作体験を実施しているところもありますので、ぜひ富山ならではの文化を体験してみてくださいね。